焼走り熔岩流
お気に入りmenuメニュー

岩手山の中腹から流れ出した溶岩が作り出した、ダイナミックな景観は圧巻!
おすすめポイント
- 約4キロメートルにわたって広がる黒々とした溶岩流
- 風化作用が進んでいないため、噴火当時の地形をそのまま見ることができる
- 溶岩流の表面は波紋状の凸凹があり、虎の縞模様のように見える
- 散策路の終点には、宮沢賢治の詩「鎔岩流」の碑がある
- 岩手山や周辺の自然を満喫できる
概要
焼走り熔岩流は、岩手県八幡平市にある、岩手山中腹から流出した溶岩流により形成された岩原で、国の特別天然記念物に指定されています。約4キロメートルにわたって広がる黒々とした溶岩流は、まるで太古の地球にタイムスリップしたかのような感覚です。風化作用が進んでいないため、噴火当時の地形をそのまま見ることができるのも貴重です。溶岩流の表面は波紋状の凸凹があり、虎の縞模様のように見えることから「虎形」とも呼ばれています。
焼走り熔岩流が形成されたのは、1719年(享保4年)正月(旧暦)とされていますが、近年の研究では1732年(享保17年)とする説もあるそうです。溶岩流を作った噴出口は、岩手山の東側山腹、標高850メートルから1250メートル付近まで直線状に複数個所残っており、いずれも高さ4-5メートル、直径4メートルほどのもので、そのうち第1噴出口跡、第2噴出口跡は国土地理院発行の2万5千分の1地形図に表記されています。
焼走り熔岩流は噴出時期が比較的新しいため風化作用が進んでおらず、その表面には未だに土壌が形成されていないことから植生に乏しく噴出当時の地形を留めています。溶岩流そのものは火山国日本では珍しいものではないが、表土や樹木に覆われず、地形的改変もないのは学術的に貴重であり、1944年(昭和19年)11月7日に国の天然記念物に指定され、1952年(昭和27年)3月29日には特別天然記念物に格上げされています。また、1956年(昭和31年)に制定された十和田八幡平国立公園の特別保護地区にも指定されています。
今日では熔岩流末端に片道約1キロメートルの観察路が設けられており、積雪で閉鎖される冬季以外は自由に見学することができる。また散策路の終点には、当地を訪れた宮沢賢治による詩、「鎔岩流」の碑が建てられています。
焼走り熔岩流は、自然の力強さと美しさを体感できる貴重な場所です。ぜひ一度訪れてみてください。