海住山寺
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鎌倉時代の国宝五重塔は、日本で2番目に小さいながらも「裳階」を持つ唯一無二の美しさ。静寂な山中で歴史と自然が織りなす絶景が楽しめる隠れた名刹。
おすすめポイント
- 国宝の「五重塔」:裳階を持つ唯一無二の鎌倉建築美。
- 重要文化財「木造十一面観音立像」:平安時代の傑作を拝観。
- 解脱上人貞慶が中興した歴史ある真言宗の古刹。
- 境内の「やまもも」:京都府最大のヤマモモの巨木。
- 瓶原を見下ろす「絶景」:静寂な山中からの眺望。
基本情報
- 住所
- 京都府木津川市加茂町例幣海住山20 京都府の観光地を探す
- アクセス
- 車:国道163号線から約2km。案内看板を目印に進む。一部狭い区間があるが、寺の参道は十分離合可能。無料駐車場あり。
電車・バス:JR関西本線加茂駅より奈良交通バス「和束町小杉」方面行きで「岡崎」下車、徒歩40分。または木津川市コミュニティバス「海住山寺口」下車、徒歩25分(土日祝日運休、平日も本数少ない)。バスは本数が少なく、下車後坂道を長時間歩くため、自家用車またはタクシーの利用が現実的である。 ルートを表示
- 営業時間
- 9:00~16:30
- 休業日
- 年中無休(法要・ご祈願の間はお待ちいただく場合あり)
- 料金
- 入山料:200円(ハイキング・写真撮影・散策等)
本堂内拝観(本尊十一面観音菩薩、他):500円(入山料を含む)
特別展期間中は別料金
祈願料:一般祈願5,000円、お護摩祈祷10,000円/20,000円/30,000円、自動車交通安全5,000円
- INFO
- 法要・ご祈願の間は、拝観をお待ちいただく場合がある。ハイキング等の境内での食事休憩、境内一帯での三脚使用は本堂拝観申込者に限る。アクセスはバスの本数が少なく、下車後坂道を長時間歩くため、自家用車またはタクシーの利用が現実的。国道24号線方面から向かう場合、ナビの指示で細い道へ誘導されることがあるので、「海住山寺口」の交差点を目標にすると比較的容易な道となる。御祈祷は午前9時から午後4時まで受付。ご縁日以外は事前連絡が必要。ご先祖供養・水子供養、納骨供養も行っている(宗旨宗派不問)。詳細はお問い合わせください。
- HP
- http://www.kaijyusenji.jp/index.html
概要
京都府木津川市、かつて恭仁京があった瓶原を見下ろす三上山中腹に位置する海住山寺。天平7年(735年)、聖武天皇の勅願により良弁僧正が開山し、藤尾山観音寺として創建されたと伝わる。聖武天皇が大仏造立の無事成就を祈願して建てたという逸話からも、その由緒の深さがうかがえる。その後、保延3年(1137年)に全山焼失するが、承元2年(1208年)に解脱上人貞慶によって中興され、補陀洛山海住山寺と改称された。貞慶は鎌倉時代の戒律復興に尽力した高僧であり、彼の教えは後の南都仏教復興の源流となった。
現存する国宝の五重塔は、貞慶の弟子である覚真が建保2年(1214年)に建立したもの。総高17.7mと小ぶりだが、日本で2番目に小さい国宝五重塔として、また初重に裳階(もこし)を持つ唯一の遺構として建築史上の価値が高い。裳階は1962年の解体修理時に復元されたもので、壁を持たず開放的だ。内部は珍しい厨子状の構えで、彩色された天部や僧形が描かれている。
境内には、国宝五重塔のほか、正和元年(1312年)建立の重要文化財「文殊堂」や、平安時代造像の重要文化財「木造十一面観音立像」など、多くの文化財が点在する。また、京都府内で最大のヤマモモの巨木も見どころの一つ。喧騒から離れた山中の静寂な環境は、心を落ち着かせ、歴史と自然の美しさに浸るには最高の場所だ。隠れた名刹で、心静かに仏教美術と歴史の息吹を感じてほしい。