無鄰菴
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東山を借景とし、琵琶湖疏水を引き込んだ躍動感あふれる近代日本庭園。明治の歴史を刻む洋館と、四季折々に表情を変える自然美が融合する空間は、訪れる人々を魅了する。
おすすめポイント
- 東山を借景とした雄大な庭園美と琵琶湖疏水のせせらぎ。
- 近代日本庭園の先駆けとなった革新的な造形。
- 歴史的な「無鄰菴会議」の舞台となった洋館。
- 季節ごとに表情を変える紅葉や苔の絨毯。
- 庭を眺めながら楽しめる母屋カフェで至福のひととき。
基本情報
- 住所
- 京都府京都市左京区南禅寺草川町31番地 京都府の観光地を探す
- アクセス
- 京都市営バス:「神宮道」または「岡崎公園・美術館・平安神宮前」下車 徒歩約10分。京都市営地下鉄東西線:蹴上駅から徒歩約7分。タクシー:京都駅より約20分。無鄰菴に駐車場はないため、公共交通機関やタクシーの利用を推奨する。自転車で来場の場合は、場内駐輪場(6台程度)を利用できる。 ルートを表示
- 営業時間
- 4月~9月:9時00分~18時00分。10月~3月:9時00分~17時00分。最終入場は閉場時間の30分前まで。
- 休業日
- 12月29日~12月31日。その他、施設整備のため臨時閉場日あり
(2025年8月5日、9月2日、12月11日、2026年1月14日、2月17日、3月4日など、詳細は公式サイトで確認を推奨する)。
- 料金
- 通常料金: 600円。
繁忙日料金(2025年):4月1日~4月13日 900円、4月26日~6月1日 900円、10月11日~10月19日 1000円、11月1日~11月14日 1000円、11月15日~12月7日 1500円。2026年1月1日~1月3日 1000円、3月28日~3月31日 1000円。
※購入いただくタイミングにより価格が変動する可能性あり、最新価格は公式サイトで確認が必要。
入場料免除:市内在住の70歳以上の方、介護保険被保険者証をお持ちのご本人及び介護者1名、身体障がい者手帳等をお持ちのご本人及び介護者1名、市内在住及び市内の学校に在校する小・中学生、小学生未満の乳幼児。
入場料割引:市営地下鉄1dayフリーチケット等提示で100円引き、京都市キャンパス文化パートナーズ制度入会大学生・短期大学生は100円。
- INFO
- ・入場は予約を推奨する。予約時間を過ぎての入場は不可。
・事前決済制であり、キャンセルは100%のキャンセル料が発生する。団体(10名以上)での来場は30日前までに支払いが必要となる。
・発熱や体調不良の場合は入場を遠慮し、入場時にはアルコール消毒が必要。
・施設保存のため、見学ルートはスタッフの案内に従ってほしい。
・動画撮影、人物や持ち込み品を主被写体とした撮影、三脚・一脚・自撮り棒使用、その他他のお客様の見学を妨げるような撮影は事前の申請と撮影料(3万円、前撮りは10万円)が必要となる。
・入場料のみで見学できるのは庭園、母屋1階、洋館で、茶室や母屋2階の利用は別途有料予約が必要。
・毎月第1・第3水曜日に野鳥ミニ講座、毎月28日は35歳以下入場料無料の「庭の日」(ID提示要)が開催される。
- HP
- https://murin-an.jp/
概要
無鄰菴は、明治27年(1894年)から29年(1896年)にかけて、明治・大正時代の政治家である山縣有朋が京都・南禅寺界隈に造営した別荘だ。この別荘は、庭園、母屋、洋館、茶室の四つで構成されており、特に庭園は施主である山縣有朋の深い庭園観と名庭師・七代目小川治兵衛の卓越した技術が融合した「近代日本庭園の傑作」と称される。それまでの象徴主義的な庭園とは一線を画し、里山の風景や小川のような躍動的な水の流れを取り入れた自然主義的な新しい庭園観が特徴だ。約3,100平方メートルの敷地に、東山を借景とする広大な芝生と、琵琶湖疏水から直接引き込まれた清らかな水が流れ、見る者を惹きつける。
この革新的な庭園は、当時の人々に衝撃を与え、『以後の庭園はことごとく無鄰菴に倣っている』とまで評された。造営当初、山縣は芝を好んだが、高湿度の環境により苔が優勢となり、今では50種以上の苔がビロードのように広がり、時が織りなす美しさを伝えている。庭木としては珍しい樅の木を植えるなど、山縣の斬新な感覚が随所に光る。また、洋館の2階は、日露戦争開戦前の1903年(明治36年)に、山縣有朋、伊藤博文、桂太郎、小村寿太郎が集まり、対ロシア外交方針を話し合った「無鄰菴会議」の舞台となった。日本の近代史における重要な転換点となったこの場所は、当時の緊迫した雰囲気を今に伝える。無鄰菴は、歴史と自然、そして革新的な美意識が凝縮された、訪れる人々に深い感動を与える場所だ。現在は京都市が管理し、国の名勝として大切に保存・公開されている。