
ガイド
富山県美術館は、2017年に開館した「アートとデザインをつなぐ」をコンセプトとする美術館です。建物は富山県の主要産業であるアルミを多用した設計となっており、船の舳先(へさき)のような独特な形状をしています。展示されているのは、20世紀以降の近・現代美術作品や、ポスター、チェア(椅子)などのデザイン作品です。約16,000点のコレクションを収蔵しており、美術品だけでなく、デザインの視点からも作品を鑑賞できる点が特徴です。富岩運河環水公園の敷地面積12,548m2の「見晴らしの丘」に位置しており、建築そのものも一つの芸術作品として成立しています。
本美術館は、1981年に開館した富山県立近代美術館のコレクションを引き継いでいます。旧美術館の老朽化に伴い、富山市西中野町から現在の富岩運河環水公園西地区へと移転・新築されました。総工費は約85億円を投じ、設計は建築家の内藤廣氏が担当しています。富山の産業基盤であるアルミを用いた外装や、ガラス張りのファサードは、地域のアイデンティティを反映しています。また、富山県博物館協会の事務局も置かれており、地域の文化振興の拠点としての役割も担っています。
館内は、2階と3階にそれぞれテーマが設けられた合計6つの展示室があります。常設展示では、近・現代の美術作品に加え、デザイン作品の展示が行われています。また、屋上には「オノマトペの屋上」と呼ばれる芝生張りの屋上庭園が設置されています。ここからは、目の前に広がる富岩運河環水公園越しに、雄大な立山連峰を眺めることができます。また、建物正面の東側2階・3階は全面ガラス張りとなっており、外の景色と館内の展示が一体となるような視覚的体験が提供されています。
春や秋などの穏やかな季節には、屋上庭園や美術館プロムナードの散策が適しています。特に春には「千年の桜並木」として知られるエリアでの景観の変化が見られます。夏季や晴天時には、ガラス張りのエントランスやカフェエリアから、立山連峰のシルエットを鮮明に眺めることが可能です。夜間は、照明に照らされた建築の造形美が、公園の静かな雰囲気と調和します。展示室の閉館時間は17:00頃となるため、午後の早い時間帯からの訪問が推奨されます。
美術館内では、展示作品の鑑賞だけでなく、デザインの歴史や手法を学ぶことができます。TADギャラリーでは、美術館の設計図や模型、建設に使用された部材などの展示が行われることもあり、建築プロセスに触れることが可能です。また、館内にはカフェやレストランが併設されており、アートに囲まれた環境で飲食をすることもできます。周辺の富岩運河環水公園では、水上ラインによる運河クルーズ(冬季休業あり)や、公園内のスターバックスコーヒーでの滞在も可能です。
美術館は富岩運河環水公園内に位置しており、周辺には多くの観光スポットがあります。公園内には「世界一美しい」と称されることもあるスターバックスコーヒーがあり、多くの訪問者が訪れます。また、国の登録有形文化財である「牛島閘門」や、富岩水上ラインの乗り場も近く、水辺の景観を楽しむことができます。富山市中心部へのアクセスも良く、富山市総合体育館や、富山赤十字病院などの施設も近隣に位置しています。
美術館内は、展示品保護のため、撮影制限があるエリアや、飲食・持ち込みに関するルールが存在します。服装については、展示室内の移動が多いため、歩きやすい靴が適しています。支払いは、美術館内の施設や周辺のカフェ等で、クレジットカードや交通系ICカードが利用可能です。英語での案内板やスタッフの対応についても、一部導入されていますが、詳細な情報は事前に確認しておくことが望ましいです。