
Cẩm nang
種蔵集落は、岐阜県飛騨市の奥地に位置する歴史的な集落です。この集落の最大の特徴は、住宅よりも多くの数の「倉」が存在することにあります。現在、集落には13戸の家があり、その中で20棟の板倉と1棟の土蔵が確認できます。これらの倉は、火災から食料や種、家財道具を守るために住宅とは離れた場所に建てられており、集落の景観を形作っています。
集落の名前の由来は、奥州の棚倉から移住してきた先祖が、この地を「棚倉」と名付けたことにあります。その後、天災や飢餓の際にも、この地の板倉に蓄えられていた種を周辺地域へ分けることができたことから、人々から「種蔵」と呼ばれ、感謝とともにその名が語り継がれてきました。自然と人が循環し、伝統を守り続けてきた集落の姿がここにあります。
種蔵集落の歴史は、先祖が食料や種をいかに守るかという切実な願いに基づいています。かつて、火災などの災害から大切な資源を守るため、住宅とは別に「板倉」が作られました。住民が他の地域へ移住する際、住宅を解体しても、この倉だけは守り続けるという伝統があります。これは、倉が家族の命を支える大切な宝物であったためです。
この「種を分ける」という文化は、単なる保存にとどまらず、地域社会との繋がりや相互扶助の精神を象徴しています。集落内に点在する板倉や土蔵は、先祖の想いと、それを守り続けてきた子孫による歴史の証左といえます。

集落内には、独特の景観を生み出す板倉や土蔵が点在しています。これらは、火災から大切なものを守るために設計されたものであり、日本の伝統的な防災の知恵を視覚的に理解できる要素です。また、集落全体に広がる山里の風景は、季節ごとに異なる表情を見せます。古民家をリノベーションした「板倉の宿 種蔵」では、囲炉裏のある空間で過ごすことができ、山里の暮らしの空気感に触れることができます。
種蔵集落は、四季を通じて異なる風景を楽しむことができます。春から夏にかけては、豊かな緑と山里の清涼な空気が特徴です。秋には周囲の山々が色づき、冬には雪に覆われた静寂な集落の姿が見られます。特に、宿泊施設を利用する場合は、夜の静かな時間帯に囲炉裏を囲んで過ごすことで、都会の喧騒から離れた時間を過ごすことが可能です。

「板倉の宿 種蔵」では、古民家をリノベーションした空間での滞在が可能です。ここでは、囲炉裏を囲んでの食事や、四季折々の山里の暮らしの一部に触れることができます。また、敷地内でのキャンプ利用やコテージ(離れ)の利用についても、過去に紹介された事例があり、自然の中で過ごす多様なスタイルが提案されています。
集落は飛騨高山の奥地に位置しています。周辺には、飛騨の自然豊かな景観が広がっており、レンタカー等を利用して移動することが一般的です。集落内の宿泊施設を利用することで、観光地化されたエリアとは異なる、より深い山里の風景を背景とした滞在が可能です。
山里の環境であるため、季節に応じた服装が必要です。特に冬場や夜間は気温が下がるため、防寒対策を万全にしてください。また、集落は生活の場でもあるため、静穏な環境を維持するためのマナーが求められます。