
ガイド
由志園は、島根県松江市の大根島に位置する、約4万平方メートルの広大な池泉回遊式日本庭園です。1975年に初代園主である門脇栄によって開園されました。この庭園の最大の特徴は、日本一の生産地を誇る「牡丹」と、歴史ある「高麗人蔘」の文化が融合している点にあります。四季折々の美しい花々が、訪れる人々に癒やしと感動を与えます。また、伝統的な日本庭園の美しさに加え、霧の演出やLEDを用いた夜間ライトアップ、AR(拡張現実)などの最新テクノロジーを融合させた新しい形の日本庭園としても注目を集めています。
由志園の名称は、初代園主が自身の父である「由蔵」の名から一文字をとり、自身の利己的な目的ではなく、観光産業の推進という高い志を込めて名付けられました。この地、大根島は、古くから肥沃な黒ぼく土に恵まれ、約250年前から牡丹と高麗人蔘の栽培が行われてきた歴史があります。特に高麗人蔘は、かつて茶人大名の松平不昧公の時代から、地域の財政や文化に大きく貢献してきました。現在は、高麗人蔘の歴史を学べるミュージアムや、加工過程を見学できる施設も併設されており、地域の歴史的背景を深く知ることができます。

園内には、趣の異なる多様な庭園が広がっています。特に注目すべきは、池泉回遊式庭園です。水の流れが日本海へと続く風景を模した美しい景観は圧巻です。また、「牡丹の館」では、季節を問わず一年中満開の牡丹を鑑賞することが可能です。春には牡丹や芍薬、藤などが咲き誇り、夏にはアヤメ、秋には紅葉など、訪れる時期によって異なる表情を楽しむことができます。さらに、夜間にはライトアップが行われ、光と影が創り出す幻想的な空間が広がります。最新のテクノロジーを用いたプロジェクションマッピングや、水中でのLED演出も、由志園ならではの特別な体験です。
季節ごとに異なる魅力があるため、訪れる時期によっておすすめの過ごし方が異なります。春(4月〜5月)は、牡丹や芍薬、藤が最も美しい季節であり、多くの観光客が訪れるベストシーズンです。夏には涼やかな水の流れと緑、秋には鮮やかな紅葉、そして冬には寒牡丹を楽しむことができます。また、時間帯によっても魅力が変化します。日中は自然な光の中で四季折々の色彩を存分に楽しめますが、夜間はライトアップによって、昼間とは全く異なる幻想的でドラマチックな庭園の表情を体験できます。季節限定のイベントや夜間開園の有無は、事前に確認することが推奨されます。

由志園では、単に景色を眺めるだけでなく、五感を使った体験が可能です。高麗人蔘ミュージアムでは、高麗人蔘の歴史や有用性を学ぶことができ、製品の加工過程を公開しているエリアもあります。また、カフェエリアでは、高麗人蔘を取り入れた製品や、季節の素材を使った飲み物を楽しむことができます。さらに、園内には趣の異なる食事処が複数あり、地元産の食材をふんだんに使った郷土料理を堪能できます。例えば、名物の「鰻の大根島溶岩焼き」や、滋味豊かな「高麗人蔘豆腐鍋」など、この地ならではの味覚を通じて、文化をより深く感じることができます。
由志園は、中海に浮かぶ大根島という非常に美しいロケーションにあります。周辺には、自然豊かな景観が広がり、散策に最適な環境です。また、近隣の松江市や米子市へのアクセスも良好で、出雲地方の観光ルートの一部として組み込むことができます。周辺の自然環境を楽しみながら、海や湖の風景とともに、日本の伝統的な美意識に触れることができます。

園内は広大な池を巡る回遊式の庭園であり、整備された通路もありますが、自然の地形を活かしたエリアも含まれます。そのため、歩きやすい靴での訪問が適しています。お支払いについては、園内の売店や食事処では、現金に加えてクレジットカード(Visa・MasterCard等)や交通系ICカードが利用可能です。英語での案内板やメニューも用意されていますが、詳細なコミュニケーションが必要な場合は、事前に確認しておくとスムーズです。また、園内での撮影は基本的に可能ですが、イベント時や特定のエリアでは制限がある場合があります。車椅子での訪問については、車椅子対応の入口や駐車場が整備されています。