ガイド
山種美術館は、1966年に日本初の日本画専門の美術館として開館した、歴史ある文化施設です。現在は東京都渋谷区広尾に位置し、近代・現代の日本画を中心に、古画、浮世絵、油彩画など約1,800点に及ぶ膨大なコレクションを所蔵しています。その中には、国の指定文化財である重要文化財も6点含まれており、日本画の真髄に触れることができる貴重な場所です。「美術を通じて社会、特に文化のために貢献する」という創立者の理念に基づき、質の高い展覧会を年5〜6回開催しており、訪れるたびに新しい発見があるのが魅力です。
当館の歴史は、1966年に東京都中央区日本橋兜町で始まったことに遡ります。創立者である山﨑種二氏が収集した美術コレクションを展示するために設立されました。その後、2009年には現在の渋谷区広尾へと移転し、新築されたビル「ワイマッツ広尾」は、その優れたデザインから2010年度にグッドデザイン賞を受賞しています。速水御舟のコレクションをはじめとする、近代日本画の発展を支えた重要な作品群を、現代の洗練された建築空間の中で守り、伝えています。
展示の核となるのは、近代・現代日本画の傑作たちです。特に、速水御舟、川合玉堂、奥村土牛といった日本画を代表する絵師たちの作品が中心となっており、それぞれの個性が光る繊細な表現を間近で感じることができます。所蔵品には、岩佐又兵衛の『官女観菊図』や竹内栖鳳の『班猫』など、重要文化財に指定された至高の名品も含まれています。また、浮世絵や油彩画といった幅広いジャンルの作品も所蔵されており、日本の伝統美から近代的な感性まで、幅広い美術の変遷を一度に辿ることができます。
当館では、季節の移ろいや展覧会のテーマに合わせた展示が行われます。例えば、川合玉堂の作品に見られるような「なつかしい日本の情景」は、訪れる時期によって異なる情緒を感じさせてくれます。展覧会は年5〜6回開催されるため、季節ごとに異なるテーマの特別展を企画しており、定期的に訪問することで、常に新鮮な感動を得ることができます。日中の明るい時間帯に、静謐な空間で作品と向き合うことで、日本画特有の色彩や質感の美しさをより深く味わうことができるでしょう。
美術館が位置する渋谷区広尾エリアは、落ち着いた雰囲気を持つ洗練された街です。美術館の周辺には、おしゃれなカフェやレストラン、ブティックなどが点在しており、美術鑑賞の後に、街の散策を楽しむことができます。恵比寿や渋谷からもアクセスが良く、都会の喧騒から少し離れた、文化的な休息の場として最適です。
美術館内では、作品を保護し、静かな鑑賞環境を維持するためのマナーが求められます。展示作品の撮影については、展覧会ごとにルールが定められているため、事前に公式サイト等でご確認ください。また、館内は非常に静かな空間ですので、周囲の鑑賞者への配慮をお願いいたします。