
ガイド
焼走り熔岩流は、岩手県八幡平市に位置する、1732年の岩手山噴火によって流れ出た溶岩が固まってできた地形です。面積は約149.63ha、長さは約3〜4km、最大幅は約1〜1.5kmに及びます。この場所は、噴火から約300年が経過した現在も当時の状態が維持されており、その希少性から国の特別天然記念物に指定されています。また、十和田八幡平国立公園の特別保護地区にも指定されており、火山活動による地形の変化を観察できる場所です。
この地形は、1732年の岩手山の噴火によって形成されました。溶岩が流れ出し、そのままの形で固まったことで、現在の暗褐色の大地が作られました。昭和27年には国の特別天然記念物に指定され、昭和32年には十和田八幡平国立公園の特別保護地区にも指定されています。植生の回復が非常に遅いという特徴があり、火山による地形がどのように変化していくのか、現在進行形の自然の変遷を観察できる学術的にも貴重な地点です。

最大の景観は、岩手山の麓に広がる暗褐色の溶岩流と、標高2,038mの岩手山の山容を同時に望める点にあります。溶岩流の内部には全長約2kmの自然観察路が整備されており、火山由来の地形を間近に観察できます。また、焼走り熔岩流第一噴出口跡(標高1,220m)付近の砂礫地帯は、国内最大級のコマクサ群生地の一つとして知られています。初夏には、登山道沿いに桃色のコマクサが咲く様子が見られます。また、溶岩流に隣接するカラマツ林には、バリアフリーの遊歩道が整備されており、森林内の景観を楽しむことも可能です。
焼走り熔岩流は、積雪の影響を受ける冬季(12月〜5月頃)は、積雪のため利用ができません。観光に適した時期は、植物の活動が盛んな5月や6月です。特に初夏の時期は、高山植物の女王と呼ばれるコマクサが咲き誇るため、自然観察に適しています。また、周囲のカラマツ林は季節ごとに異なる状態を見せますが、火山地形の観察は、視界が開けやすく天候が安定している日に行うことが基本となります。

自然観察路を利用したウォーキングや、火山地形の観察が主なアクティビティです。整備された自然観察路やバリアフリーの遊歩道を通って、岩手山の裾野に広がる広大な大地を歩くことができます。また、周辺には「岩手山焼走り国際交流村」があり、キャンプ場や温泉、食事処が併設されているため、自然環境を基盤としたアウトドア活動の拠点としても利用されています。毎年6月には「焼走り熔岩流まつり&旧車ミーティング」が、7月には「岩手山焼走りマラソン全国大会」が開催されるなど、地域に根ざしたイベントも行われています。
焼走り熔岩流の周辺には、自然観察教育林や岩手山焼走り国際交流村があります。国際交流村内には、キャンプ場や温泉施設「岩手山焼走り温泉 いこいの村岩手」があり、宿泊や休憩が可能です。また、藤七野外スポーツ地域も近隣に位置しており、高山植物や登山を楽しむことができます。さらに、八幡平アスピーテラインを経由することで、周辺の景観を楽しむルートも確保されています。

自然観察路や遊歩道での散策には、トレッキングシューズなどの歩きやすい靴が適しています。また、岩手山の噴火警報などの最新の火山情報については、事前に確認が必要です。周辺の施設を利用する際は、現金やクレジットカードの準備をしておくとスムーズです。自然観察路は公共の場所であるため、指定されたルートを外れないようにしてください。