
ガイド
打吹玉川伝統的建造物群保存地区(通称:倉吉白壁土蔵群)は、鳥取県倉吉市に位置する、国の重要伝統的建造物群保存地区です。このエリアは、江戸時代初期から大正時代にかけて商業都市として発展した歴史を持ち、現在も約100棟の伝統的な建造物が現存しています。白壁の土蔵や石州瓦を用いた町家が立ち並ぶ景観は、この地域の象徴的な風景です。
この地区は、中世に打吹山に築かれた打吹城の城下町として発展しました。元和元年(1615年)の城郭廃止を経て、鳥取藩主池田家の家老である荒尾氏の統治下で、商業都市としての基盤が築かれました。江戸時代末期から昭和前期にかけての建築物が、本町通りの石州瓦の町家群や玉川沿いの土蔵群として残されています。1998年には重要伝統的建造物群保存地区に選定され、2010年には周辺の西仲町や西町などの区域も追加で選定されました。

地区内には、歴史的な建築物を活用した様々な施設が存在します。赤瓦一号館(醤油の醪蔵を改装した物産店)、赤瓦二号館(はこた人形や桐下駄の工房)、赤瓦十一号館(陶芸館)など、伝統的な建築構造を維持したまま運営されている施設が点在しています。また、県指定保護文化財である桑田家住宅や高田家住宅、およびその庭園も、この地域の歴史的な景観を構成する重要な要素です。さらに、明治41年(1908年)に建設された擬洋風建築の倉吉大店会(国の登録有形文化財)も見どころの一つです。
このエリアは、季節を問わず歴史的な街並みを散策することが可能です。特に9月には「倉吉里見時代行列」が行われ、歴史的な雰囲気が高まります。日中の明るい時間帯は、白壁の土蔵や瓦の質感を詳細に確認するのに適しています。また、エリア全体は24時間開放されているため、静かな環境での散策も可能です。

伝統的な建築物を活用した店舗での買い物や、陶芸館での体験、あるいは町屋を活用した食事処での滞在など、歴史的な空間での活動が可能です。例えば、大正時代築の建物を利用した食事処や、文化財に指定されている住宅・庭園の鑑賞などが挙げられます。これらは、地域の歴史的景観と現代の生活が融合した形態を示しています。
周辺には、倉吉線鉄道記念館(旧打吹駅を活用)や、廃線跡を整備した緑の彫刻プロムナードがあります。また、打吹山や打吹公園、倉吉博物館・倉理歴史民俗資料館なども近隣に位置しています。さらに、東郷湖や三朝温泉、関金温泉といった温泉地へのアクセスも可能なエリアです。

散策の際は、歩きやすい靴での訪問が適しています。エリア内の施設によっては、現金での支払いが必要な場合があるため、現金の持参が推奨されます。また、歴史的な建造物や文化財を保護するため、撮影の際は指定されたエリアやルールを確認してください。駐車場は無料の駐車場が整備されています。