
ガイド
十和田市現代美術館は、青森県十和田市の中心部に位置する現代美術館です。「アートを通した新しい体験を提供する開かれた施設」を掲げ、Arts Towada計画の中核を担っています。最大の特徴は、一つの作品に対して独立した展示室が与えられ、それらがガラスの通路で繋がっている独特の建築構造です。来館者はまるで街の中を散策するように、個別の展示室を巡りながら作品を鑑賞することができます。また、一部の展示室には大きなガラスの開口部があり、展示されているアート作品が外の街並みに対して開かれた開放的な空間を実現しています。
この美術館は、2008年4月26日に開館しました。背景には、2001年頃の中央省庁再編に伴う官庁街の空き地活用という地域的な課題がありました。この空地をアートの拠点へと変える「Arts Towada」計画の一環として、美術館が設立されました。美術館の周囲には「アート広場」や、街の景観を彩るストリートファニチャーなどが整備されており、美術館単体ではなく、街全体を一つの美術館に見立てたまちづくりが進行しています。これにより、十和田市は国内外から注目される「アートの街」としての地位を確立しています。

館内には、国内外で活躍するアーティストによる38の常設作品が展示されています。これらはそのほとんどが、この美術館のために新たに制作された「コミッションワーク」であり、大型のインスタレーション作品が中心です。例えば、草間彌生やロン・ミュエクといった著名なアーティストの作品が、美術館の展示室だけでなく、敷地内の様々な場所に配置されています。展示室を巡るたびに新しい視覚体験が得られる構成となっており、建築そのものとアートが一体となった空間を体験できます。
美術館は基本的に日中の時間帯(9:00〜17:00)に開館していますが、季節やイベントによって企画展の内容が異なります。常設展だけでなく、時期によって開催される企画展も見どころの一つです。また、館内には「cube cafe&shop」が併設されており、鑑賞の合間に休憩することも可能です。カフェのラストオーダーは16:30となっているため、午後の時間帯に訪れる際はご注意ください。屋外の展示スペースや街並みとの一体感を楽しむには、明るい日中の時間帯が適しています。

単に作品を眺めるだけでなく、建築とアートが融合した空間を歩くこと自体が、この美術館での主要な体験です。ガラス張りの通路を通ることで、外の景色と中のアートが重なり合う瞬間を楽しむことができます。また、施設内には市民活動スペースやカフェもあり、アートを身近に感じられる環境が整っています。展示室を巡りながら、現代美術のダイナミックなスケール感や、作品が持つ独特の世界観に触れることができます。
美術館の周辺は「Arts Towada」プロジェクトにより、街全体がアートの要素を取り入れた景観となっています。美術館の向かい側には「アート広場」が整備されており、街歩きをしながらアートに触れることができます。また、十和田市の中心市街地には、美術館と連動したアート作品やストリートファニチャーが配置されており、美術館を拠点として周辺の街並みを散策することも可能です。

美術館内は広範囲にわたるため、歩きやすい靴での訪問が推奨されます。展示室を移動する際は、建築の構造を楽しむために、歩行に注意してください。