
ガイド
虎塚古墳は、茨城県ひたちなか市に位置する、東日本を代表する装飾古墳です。国指定史跡にも指定されており、7世紀初頭に築造された前方後円墳です。この古墳の最大の特徴は、石室の壁面に描かれた彩色壁画です。白土を塗った壁に、赤色の顔料(ベンガラ)を用いて、幾何学文様や大刀、盾、馬具などの図像が描かれています。古墳の周辺は史跡公園として整備されており、古墳の外観や周囲の景観をいつでも見学することが可能です。
この古墳は、古墳時代終末期の7世紀初頭に築造されたと考えられています。1973年の発掘調査によって、日本で初めて確認された装飾古墳の一つとして知られています。石室内部の環境測定が未開口状態で行われたこともあり、保存状態の良好な壁画が残されています。出土品には、成人男性の遺骨とともに、小大刀や刀子、鉄鏃などが含まれており、当時の埋葬文化や生活様式を伝える重要な資料となっています。出土品の一部は、ひたちなか市指定有形文化財にも指定されています。

最大の注目は、石室内の壁画です。実物の壁画は非常に限定的な公開となりますが、現在は施設内に実物大のレプリカが展示されており、壁面に描かれた精緻な文様や図像を間近に観察できます。また、古墳の外観についても、前方後円墳の形状を維持した姿を見ることができます。古墳の周囲には周溝が巡らされており、当時の構造を理解するための重要な要素となっています。展示施設では、石室内から出土した武器や道具などの実物展示も行われています。
石室内の実物壁画を見学できるのは、春と秋の年2回に限定されています。春は9:00〜16:30、秋は9:00〜16:00の公開時間となっているため、この時期に合わせて訪問するのが最適です。古墳の周囲にある史跡公園は、季節を問わずいつでも散策や見学が可能です。春や秋には、周囲の自然環境とともに、穏やかな風景の中で歴史的な遺構を眺めることができます。日中の明るい時間帯は、古墳の形状や周囲の景観を観察するのに適しています。
ひたちなか市埋蔵文化財調査センターに隣接しているため、展示室での考古学的な展示を見学することができます。石室壁画のレプリカを通じて、古代の色彩豊かな世界を体験できます。また、センターでは年4回程度の頻度で、考古学に関する公開講座も開催されています。専門的な知識を深めたい場合には、こうしたイベント情報を事前に確認しておくことも一つの方法です。古墳の周囲を歩きながら、古代の地形や構造を体感する散策も可能です。
古墳の周辺は「虎塚古墳史跡公園」として整備されており、自然に囲まれた静かな環境です。このエリアには、東日本最大級の横穴墓群である十五郎穴横穴群(国の史跡)も所在しており、合わせて歴史的な景観を楽しむことができます。周辺は住宅や自然が混在するエリアであり、落ち着いた雰囲気の中で歴史探索を楽しむことができます。