
ガイド
戸栗美術館は、東京都渋谷区松濤に位置する陶磁器専門の美術館です。実業家の戸栗亨が収集した東洋陶磁器を主に保存・展示しており、その収蔵品は約7,000点に及びます。特に伊万里焼や鍋島焼といった肥前磁器のコレクションは、日本の伝統的な美意識を伝える重要な資料となっています。
美術館の設立者である戸栗亨は、第二次世界大戦後の日本における文化普及の重要性を考え、伝統的な日本文化を保存・継承するために活動しました。1952年に上京後、古民具や古道具の収集を開始し、1965年頃からは国内外で観賞用の陶磁器を収集しました。1987年(昭和62年)に財団法人として認可を受け、開館しました。設立にあたっては、1500点の美術工芸品や土地、建物などの寄付が行われています。
展示の核となるのは、東洋陶磁器の多彩なコレクションです。主な収蔵品には、伊万里や鍋島などの肥前磁器のほか、中国や朝鮮の陶磁器が含まれます。これらは、歴史的な背景とともに、当時の技術と美意識を反映した造形美を提示しています。展覧会ごとに異なるテーマで展示が行われるため、その時々の主題に基づいた陶磁器の鑑賞が可能です。
開館時間は10:00から17:00までとなっており、入館は閉館の30分前までです。特定の展覧会においては、特別なイベントが開催されることがあります。例えば、2026年7月には『酒がおいしい古伊万里展』の開催に合わせて、夜の美術館で特別解説付きの貸切鑑賞会や、お酒の試飲会といったイベントが予定されています。展示替えの期間(例:6月下旬から7月上旬など)は休館となるため、事前に公式サイトでの確認が推奨されます。
当館では、学芸員による展示解説や講演会が実施されることがあります。例えば、ラウンジでの解説や、展示室でのレクチャーなどが開催される場合があります。これらは、陶磁器への理解を深めるための機会となります。また、特定の展覧会に関連したスペシャルイベント(夜間の貸切鑑賞会など)も実施されることがあります。
美術館は渋谷区の松濤エリアに位置しています。このエリアは、歴史的な背景を持つ建物や、静かな環境が特徴です。また、近隣の山種美術館や太田記念美術館とは相互割引制度が設けられており、これらを巡ることで、日本の美術文化をより多角的に触れることができます。
来館の際は、展示物の保護と鑑賞の環境維持のため、マナーを守っていただく必要があります。館内にはエレベーターやスロープが設置されていないため、階段の上り下りが発生します。また、お問い合わせは電話のみでの受付となっています。チケットの購入方法や展示内容の詳細は、公式サイトや各展覧会のページをご確認ください。