
ガイド
岳温泉は、福島県二本松市の安達太良山中腹に位置する温泉地です。1955年に国民保養温泉の一つに指定されました。源泉は安達太良山の直下にあるくろがね小屋付近にあり、そこから約8kmの距離を引湯管を用いて供給しています。温泉街には、1982年に「ニコニコ共和国」として開国したユニークな文化が存在します。
岳温泉の歴史は、自然と共生する形で作られてきました。源泉は硫黄成分が濃いため、空気に触れると樹脂パイプ内に湯花が付着し、詰まりの原因となります。これを防ぐため、「湯守(ゆもり)」と呼ばれる人々が、週に一度、パイプ内の湯花を落とす「湯花流し」を行っています。冬にはスノーシューを履いて雪の中から源泉を掘り出す作業も行われます。また、高村光太郎の詩集『智恵子抄』に詠まれた安達太良山の斜面や、阿武隈川を見下ろす景観、そして「ニコニコ共和国」という独自のプロジェクトが、この地の文化を形作っています。

岳温泉の最大の見どころは、週に一度、お湯が乳白色に変化する「ミルキーデイ」です。通常は透明なお湯ですが、特定の条件下で乳白色のにごり湯となります。この現象は、主に毎週月曜日に行われることが多いですが、天候や諸事情により日程が変動する場合もあります。また、温泉街の一角には岳温泉神社があり、地域の信仰の拠点となっています。
季節によって、温泉街の表情は変化します。特に冬の時期は、雪の中で湯花流しを行う湯守の作業が行われる季節です。温泉の供給を維持するためのメンテナンス風景は、この地ならではの光景です。また、安達太良山の四季折々の景色を眺めながら、温泉の成分や温度を感じる時間は、季節ごとに異なる趣があります。
温泉街では、宿泊施設での入浴を中心に、日常から離れた時間を過ごすことができます。源泉温度は68℃と高く、豊富な湯量を持つ単純酸性泉が特徴です。成分の特性により、お湯が透明から乳白色へと変化する様子を、宿泊や訪問のタイミングに合わせて確認することが、この地での楽しみの一つです。
岳温泉の周辺には、活火山である安達太良山が広がっています。安達太良山の斜面は、高村光太郎の文学作品にも登場する景観を持ち、自然豊かな環境です。また、近くを流れる阿武隈川の景観も、このエリアの地理的な特徴となっています。
岳温泉を訪れる際は、季節に応じた服装が必要です。冬場は雪深い環境となるため、スノーシューを使用するような作業が行われることもあり、防寒対策が欠かせません。また、温泉地としてのマナーを守り、宿泊施設や施設ごとのルールに従ってください。