
ガイド
須川高原温泉は、岩手県一関市と秋田県東成瀬村の県境、栗駒国定公園内に位置する温泉地です。標高1,126mの高原地帯にあり、周囲には栗駒山(須川岳)の登山口が広がっています。最大の特長は、毎分6,000Lという豊富な湧出量を誇る自然湧出の温泉です。泉質は強酸性の硫黄泉で、白濁した湯が特徴であり、加水や加温を行わない源泉掛け流しの温泉が提供されています。
この地は古くから湯治場として利用されてきた歴史があります。873年(貞観15年)の文献に「酢川」という記載があり、江戸時代中期からは湯治場としての役割を担ってきました。かつては温泉の流路が秋田県側にあった時期もありましたが、現在は岩手県側の湯尻沢から磐井川へと流れています。江戸時代から明治期にかけては、周辺に硫黄鉱山が存在していました。

温泉施設は、岩手県側にある民営の「須川高原温泉」と、秋田県側にある「栗駒山荘」の2軒のみです。須川高原温泉には、大浴場「須川の湯」、高温浴(約45度)が特徴の「霊泉」、そして大露天風呂「大日湯」があります。また、宿泊施設から約100mの地点には、天然蒸気を利用した「おいらん風呂」があり、専用のゴザを使用して利用する形態となっています。周囲には、自然観察路である産沼コースがあり、賽ノ磧(さいのり)や名残ヶ原湿原といった景勝地が点在しています。
須川高原温泉周辺は、季節ごとに異なる景観が見られます。春から夏にかけては、栗駒山の登山道沿いに植物が広がり、秋には紅葉が見られます。ただし、冬季(11月上旬から4月下旬)は、国道342号および県道282号が冬期通行止めとなるため、アクセスには注意が必要です。特に、秋田県側からのルート(県道282号)は、雪崩や土砂崩れの影響で閉鎖期間が長い傾向にあります。温泉の受付時間は、冬季は8時から20時、通常期は9時から17時となっています。

温泉での入浴に加え、周辺の自然環境を利用した活動が可能です。栗駒山の登山口に位置しているため、登山と併せての入浴が一般的です。また、周辺の自然観察路では、イワカガミ湿原やシラタマノキ湿原といった湿地帯の景観が存在します。温泉の泉質は、酸性・含鉄(Ⅱ)・硫黄 - ナトリウム - 硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)であり、pH値は2.3の強酸性です。この独特の泉質と白濁した湯は、古くから胃腸に効く湯として知られています。
温泉の周辺には、一関温泉郷や、真湯温泉、大湯温泉(奥小安峡)、小安峡温泉といった温泉地があります。また、秋田県側には栗駒野鳥の森や、自然公園内の施設が存在します。登山道を通じて、自然観察ができる環境が整っています。
温泉施設を利用する際は、以下の点に留意してください。