
ガイド
静岡県立美術館は、静岡県静岡市駿河区の日本平北側、静岡県文化センター内に位置する美術館です。17世紀以降の東西の山水・風景画、静岡県ゆかりの作家による作品、そして富士山を題材とした日本画や浮世絵などを中心としたコレクションを保有しています。特に、自然光を最大限に活用した設計がなされており、建築と展示が一体となった空間が特徴です。美術館へと続く道には、14点の彫刻作品が配置された「彫刻プロムナード」があり、展示のプロローグとしての役割を果たしています。
当館は、美術研究者が館長職を務めるなど、学芸活動の根幹をなす研究活動に重点を置いて運営されてきました。コレクションの柱は、江戸時代の狩野派を中心とした絵画や、静岡県ゆかりの作家による作品、そして近代彫刻の巨匠オーギュスト・ロダンの作品群です。また、美術館の外部評価システムを早期に取り入れた施設としても知られ、質の高い展示と研究活動の両立を図っています。歴史的な文脈を持つ作品から、地域に根ざした芸術作品まで、幅広い層の鑑賞に対応しています。
最大の注目点は、1994年に開館した「ロダン館」です。この建物は、自然光を取り入れるための長円形のドーム状の構造をしており、ロダンの代表作である「地獄の門」「考える人」「カレーの市民」など32点が展示されています。作品を正面から観賞できるよう、館内は階段状のスキップフロア構造となっており、光と影の演出とともに彫刻の質感を感じることができます。また、常設展のほか、古代遺跡の出土品を含む特別展示なども開催されており、時代やジャンルを超えた展示が行われています。
美術館は年間を通じて開館していますが、季節や時間帯によって異なる表情を見せます。例えば、8月の土曜日には、午後8時まで夜間開館が行われることがあります。夕刻の光がドーム構造に差し込む時間帯や、夜間の静かな環境での鑑賞は、日中とは異なる芸術体験となります。また、プロムナードでは季節ごとの自然の変化とともに彫刻を鑑賞することが可能です。
美術館内では、展示鑑賞以外にも多様な活動が行われています。学芸員による連続講座や講演会、ワークショップなどが開催されており、芸術をより深く理解するための機会が設けられています。また、「実技室」では美術製作に関連するプログラムが行われることもあり、単に観るだけでなく、制作のプロセスや技術に触れる場としても機能しています。企画展の時期には、特定のテーマに基づいた特別な展示やイベントも予定されています。
美術館は、静岡県文化センターの広大な敷地内に位置しています。美術館へと続く道には、彫刻が並ぶプロムナードが整備されており、自然を感じながら移動することができます。また、高台に位置しているため、展示の合間に屋外へ出ると、静岡市街地や富士山、南アルプスの眺望を見渡すことができます。周辺は豊かな自然に囲まれた静かな環境です。
美術館内は、作品保護のため、展示室への立ち入りには細心の注意が必要です。服装については、過度に露出の多いものや、音の出る靴などは避けるのが望ましいです。支払いは、クレジットカードや交通系ICカード、現金が利用可能です。英語での案内板も整備されていますが、詳細な説明が必要な場合は、事前に公式サイト等で情報を確認しておくことを推奨します。また、館内の撮影については、展示内容によって制限があるため、各展示室の指示に従ってください。バリアフリー対応として、車椅子での移動が可能な入口やトイレが完備されています。