
ガイド
塩屋埼灯台は、福島県いわき市の海岸線、磐城海岸県立自然公園内に位置する、白亜の美しい塔形の灯台です。明治32年(1899年)に初点灯して以来、長きにわたって航海の安全を守り続けてきました。その美しい外観から「日本の灯台50選」にも選ばれています。地元では「豊間の灯台」としても親しまれており、太平洋に突き出した岬角に立つその姿は、訪れる人々を惹きつけてやみません。
この地は古くから潮の流れが激しく、航海の難所として知られていました。そのため、江戸時代には狼煙台が築かれ、海上交通の安全が守られてきました。現在の灯台は、昭和13年の福島県北方沖地震による破損を経て、鉄筋コンクリート造として再建された歴史を持ちます。また、太平洋戦争時には米軍の攻撃を受け、機能を喪失するという苦難の時代も経験しました。しかし、東日本大震災による被災を乗り越え、現在は復興のシンボルとして、そして歴史の証人として力強く灯火を灯し続けています。
さらに、文化的な側面も非常に重要です。1957年に公開された映画『喜びも悲しみも幾歳月』の舞台となったことがあり、灯台職員とその家族の生活を描いたこの作品は、日本中で大きな感動を呼びました。灯台の近くには、歌姫・美空ひばりさんの歌碑や遺影碑が設置された「雲雀乃苑(ひばりのその)」があり、多くのファンが訪れる文化的なスポットとしても知られています。

最大の見どころは、実際に階段を登って内部へ入ることができる「のぼれる灯台」であることです。地上から構造物の頂部までの高さは27メートルあり、内部の展示室では灯台の歴史や仕組みに関する資料を見学できます。また、灯台の頂部付近からは、太平洋の広大な景色を望むことができます。周囲には美空ひばりさんの歌碑や、センサーによって楽曲が流れる遺影碑などが設置されており、歴史と音楽が融合した独特の空間を楽しむことができます。
塩_屋埼灯台は、季節を問わずその美しさを楽しめますが、特に5月から8月にかけての夏季は、周辺の海岸線が美しい季節であり、観光に適しています。日中の明るい時間帯は、白亜の灯台と青い海のコントラストが鮮明に見え、写真撮影にも最適です。また、灯台の歴史や資料展示をじっくりと見学するためには、午前の早い時間帯に訪問することをおすすめします。ただし、灯台の参観時間は季節や曜日によって変動するため、事前の確認が重要です。
ここでは、単なる景観鑑賞にとどまらない、体験型の観光が可能です。実際に灯台の階段を登り、高い場所から海を見渡す体験は、他の灯台ではなかなか味わえない貴重なものです。また、周辺の「雲雀乃苑」では、センサーによって美空ひばりさんの名曲を聴くことができ、日本の歌謡文化に触れることができます。歴史的な背景を知ることで、ただの建造物としてではなく、人々の暮らしや文化を象列する象徴として灯台を感じることができます。
灯台周辺は磐城海岸県立自然公園に指定されており、美しい海岸線が続いています。近くには「白砂青松」の美しい海岸が広がり、マリンスポーツを楽しむ人々にも人気のエリアです。また、いわき市の観光名所である「アクアマリンパーク」や、温泉地である「いわき湯本温泉郷」へのアクセスも良く、海岸沿いのドライブコースの一部として組み込むことができます。
灯台内部を参観する際は、階段を上り下りするため、歩きやすい靴での訪問を推奨します。また、海岸沿いのため風が強い場合があり、防寒具や帽子があると便利です。支払いは、参観寄付金として現金(300円)が必要となります。英語での案内については、看板や展示物に一部対応がある場合がありますが、基本的には日本語が中心です。また、灯台内部の展示や周囲の記念碑を鑑㳤する際は、マナーを守り、静かに鑑賞してください。