ガイド
渋温泉は、長野県北部、志賀高原の麓にある横湯川沿いの小さな温泉街です。1300年前に行基によって発見されたと伝えられる非常に歴史ある温泉地であり、戦国時代には武田信玄の隠し湯としても知られていました。街の最大の特徴は、石畳の通りに並ぶ古い木造建築の景観です。大正から昭和初期にかけての建築様式を今に伝える格子窓や土壁、頭上に張り出す欄干などが、訪れる人々をまるでタイムトラベルをしているかのような感覚へと誘います。
また、渋温泉の全ての旅館と外湯は「100%源泉掛け流し」にこだわっています。地面を掘ればすぐにお湯が出てくるほど豊富な湯量と、源泉ごとに異なる多彩な泉質が魅力です。加水や加温を一切行わず、源泉から直接引湯したままの熱々のお湯を、贅沢に楽しむことができます。
この地は、古くから湯治場として、また草津街道の宿場街として重要な役割を果たしてきました。歴史の深さは、武田信玄が隠し湯として利用していたという伝承や、川中島の戦いの際に傷ついた兵士を療養させたというエピソードからも伺えます。現在も、外湯の清掃や源泉の管理は地域住民によって大切に守られてきました。外湯は単なる観光資源ではなく、地域の人々の生活の一部であり、大切な文化遺産です。
最大の魅力は、趣のある「九つの外湯巡り」です。それぞれの外湯には異なる表情があり、巡る楽しみがあります。また、街を歩けば、石畳の路地や細い路地、そして複雑に組み合わさった木造建築のディテールを楽しむことができます。夜には、提灯や街灯が石畳を照らし、幻想的な雰囲気が漂います。さらに、近くには世界的に有名な「地獄谷野猿公苑」もあり、温泉に浸かる野生の猿を観察できるスポットとしても知られています。
季節を問わず楽しめますが、冬の雪景色の中、温かい湯に浸かる体験は格別です。雪が積もった石畳の街並みと、湯気とともに灯る提灯の光は、非常に情緒的で美しい風景を作り出します。また、夕暮れ時から夜にかけて、ライトアップされた街並みを浴衣姿で「そぞろ歩き」するのが最もおすすめの過ごし方です。
宿泊者は、旅館から借りた鍵を使って、街に点在する外湯を巡る「九湯めぐり」を楽しむことができます。お気に入りの外湯を見つけ、手ぬぐいにスタンプを押しながら、温泉文化を深く体験してください。また、街歩きでは、伝統的な浴衣や作務衣を身にまとい、下駄の音を「カランコロン」と響かせながら、レトロな街並みを散策する体験ができます。
渋温泉のすぐ近くには、有名な「地獄谷野猿公苑(Snow Monkey Park)」があります。温泉に入る猿の姿を見ることができるこのエリアは、世界中の旅行者から高い人気を誇ります。また、志賀高原の自然豊かな景観も近く、四季折々の自然を楽しむことができます。
外湯を巡る際は、宿泊先の旅館で浴衣に着替え、手ぬぐい(またはタオル)を持参することをお勧めします。外湯にはシャンプーやボディソープなどの備品がないため、必要に応じて持参してください。また、脱衣所には貴重品を入れる箱がない場合があるため、貴重品の管理には十分注意してください。入浴前には必ず体を洗い、お湯の温度が非常に高い場合があるため、温度を確認しながら入浴してください。