ガイド
鷲宮催馬楽神楽(わしのみやさいばらかぐら)は、埼玉県久喜市の鷲宮神社に伝わる伝統的な舞楽です。この神楽は、国の重要無形民俗文化財に指定されており、関東神楽の源流とも言われる極めて高い歴史的価値を持っています。平安時代に流行した歌謡である「催馬楽(さいばら)」を題材としており、古の時代の情緒を現代に伝える貴重な文化遺産です。神社の祭礼に合わせて行われるこの舞は、地域に根ざした深い精神性と、華やかな伝統の美しさを兼ね備えています。
鷲宮神社の歴史は古く、古代に「土師部(ハジベ)」の人々が創建したという伝承があります。かつては「土師宮(はじのみや)」と呼ばれていましたが、時代を経て「ハジ」が「ワシ」へと訛り、現在の名称になったと伝えられています。この歴史的背景に基づき、催馬楽神楽の正式名称は「土師一流催馬楽神楽」とされています。演目に取り入れられている「催馬楽」は、平安時代に流行した歌謡の一種です。一説には、地方から朝廷へ年貢を運ぶ際に馬子が歌ったことからその名がついたと言われており、日本の古い歴史と文化が色濃く反映されています。
最大の魅力は、歴史ある神社の神楽殿で繰り広げられる、躍動感あふれる舞です。演目は基本となる12座があり、その他にも特別な演目が含まれます。演目の内容は当日まで公開されないこともありますが、伝統的な衣装を身にまとった演者が、古の歌に合わせた優雅かつ力強い動きを見せる様子は圧巻です。神社の祭礼に合わせて行われるため、屋台なども並ぶ賑やかな雰囲気の中で、日本の祭りの熱気とともに伝統芸能を楽しむことができます。
鷲宮催馬楽神楽は、年に6回の特別な日程で行われます。開催時期は以下の通りです:
通常、午前11時頃から午後3時頃にかけて行われますが、1月1日の歳旦祭に限っては、午前0時頃から行われることもあります。季節ごとの祭礼に合わせて、異なる雰囲気の中で伝統に触れることができます。
鷲宮神社の周辺には、歴史を感じさせるスポットが点在しています。例えば、近くには「四萬部寺」や、歴史的な展示を行う「騎西城(郷土資料展示室)」などがあり、あわせて巡ることで埼玉県の豊かな歴史文化をより深く体験できます。また、季節によっては周辺の景観も美しく、日本の原風景を楽しむことができます。
神社の境内で行われる儀式ですので、神聖な場所であることを意識して参拝しましょう。祭礼の際は屋台なども出るため、歩きやすい靴での訪問をおすすめします。