ガイド
大杉谷は、三重県多気郡大台町の宮川上流、吉野熊野国立公園内に位置する、まさに「日本の秘境」と呼ぶにふさわしい渓谷です。黒部峡谷や清津渓谷とともに日本三大渓谷の一つに数えられ、ユネスコエコパーク(大台ケ原・大峯山・大杉谷)の一部としても保護されています。手付かずの原生林、切り立った断崖、そして数多くの滝が織りなす景観は、訪れる者を圧倒的な自然の世界へと誘います。
この地は、古くから豊かな自然が守られてきた天然保護区域です。かつては森林鉄道も存在していました。また、大杉谷の自然環境を守るための整備の歴史も深く、過去の自然災害や地形の変化を経て、現在は安全に自然を鑑賞できるよう整備されています。現在は、公益社団法人大杉谷登山センターによって登山道の管理が行われており、自然保護と利用のバランスが保たれています。
大杉谷には、訪れる人々を魅了する数多くの滝が存在します。特に、日本の滝百選にも選ばれている「七ツ釜滝」は、7段にわたる落差120mの壮大な滝であり、このエリアの象材です。その他にも、以下のような見どころがあります。
大杉谷は、季節ごとに異なる表情を見せますが、本格的な登山道であるため、季節に応じた装備が不可欠です。特に、滝の水量や登山道の状況は天候や季節に大きく左右されます。日出ヶ岳からの眺望を楽しむなら、天候が安定し、視界が開けた晴天の日が最もおすすめです。
大杉谷のメインアクティビティは、本格的な登山です。宮川第3発電所から大台ケ原を結ぶ登山道を歩く行程は、非常にアップダウンが激しく、急峻な断崖を歩くため、高い技術と体力が必要です。登山道には「桃の木山の家」などの宿泊施設や避難小屋があり、長距離の行程を計画する際は、これらを利用した宿泊を伴う登山が一般的です。単なるハイキングではなく、自然の厳しさと美しさを肌で感じる本格的なトレッキング体験ができます。
大杉谷周辺には、大台ケ原をはじめとする国立公園の豊かなエリアが広がっています。大台ケ原では、日出ヶ岳へのハイキングや、粟谷小屋、堂倉避難小屋などの施設があり、より高度な登山に挑戦する前のステップとしても利用されます。また、宮川沿いには第3発電所があり、周辺の自然環境を学ぶ拠点となっています。