
ガイド
御前埼灯台は、静岡県御前崎市の先端部に位置する、日本最初期の洋式煉瓦造灯台の一つです。明治7年(1874年)に初点灯して以来、現在も現役の灯台として、太平洋と駿河湾の境界を守り続けています。高さ22.47mの煉瓦造りの塔は、日本の近代航路標識の歴史を物語る重要な建造物です。灯台の足元には、灯台と同時期に建設された旧官舎も保存されており、当時の建築様式を今に伝えています。
この灯台は、明治幕末から明治前半にかけて日本各地の灯台建設を主導した英国人技師、リチャード・ヘンリー・ブラントンの指導により建設されました。日本初の二重円筒構造や、コンクリートを用いた基礎工事など、当時の最先端技術が駆使されています。また、灯台とともに建設された旧官舎は、灯台守の住居として使用されていた歴史的な建物です。御前埼灯台は、その歴史的価値から、2021年(令和3年)8月2日に国の重要文化財に指定されました。日本の近代海上交通の発展を知る上で、極めて高い価値を持つ文化遺産です。

最大の見どころは、高さ17mにある展望デッキです。ここからは、眼前に広がる太平洋と駿河湾の大海原を360度のパノラマで眺めることができます。また、敷地内には旧官舎が保存されており、灯台の歴史を学ぶことができます。旧官舎内には、昭和25年製の「旧回転機械分銅自動巻揚装置」などの貴重な遺構も展示されており、当時の灯台の仕組みを間近で確認することが可能です。
日中は、青い空と海が織りなす開放的な景色を楽しむことができます。また、日没から21時まではライトアップが行われ、夜の時間帯には昼間とは異なる表情を見せます。季節を問わず訪れることができますが、天候が良い日は水平線まで見渡せる絶景が期待できます。
灯台の展望デッキからの景色鑑賞に加え、敷地内の歴史的な建物や展示を通じて、日本の近代化プロセスを学ぶことができます。周辺には「御前埼灯台前広場(ウミエール)」が整備されており、海辺の穏やかな空気を感じながら、景色を楽しむことができます。
灯台の周辺には、自然を満喫できるスポットが点在しています。例えば、広大な「浜岡砂丘」や、四季折々の草花を楽しめる「御前崎ケープパーク」があります。また、干潮時には海の生き物と出会える「磯遊び」ができるエリアや、新鮮な海の幸が手に入る「御前崎 海鮮なぶら市場」もあり、観光と食の両方を満喫できるルートとなっています。