
ガイド
秋田県南秋田郡五城目町、馬場目川の上流部に位置する「ネコバリ岩(根古波離岩)」は、自然の驚異を感じさせる巨大な奇岩です。高さ約6mに及ぶこの巨岩には、スギ、ブナ、カエデといった様々な樹木が、まるで髪の毛が逆立つようにして生え、地面へと根を伸ばしています。その姿は、自然界の圧倒的な生命力と、過酷な環境に適応する植物のたくましさを象徴しています。周囲には豊かな森林が広がり、静寂の中で自然の造形美を静かに鑑賞できる場所です。
ネコバリ岩はその独特な形状と名前の由来に、深い物語があります。岩の上に生える木々の根が、波打ちながら地面へと繋がっていく様子が、まるで懸命に「がんばっている」ように見えることから、この名が付けられました。また、この場所は文化的な背景も持っています。平成21年(2009年)に公開された映画「釣りキチ三平」(秋田県出身の漫画家・矢口高雄による原作)のロケ地としても使用されました。自然を愛する人々や、映画ファンにとっても馴染み深い、地域に根ざした景勝地です。

最大の魅力は、なんといっても巨岩と樹木の共生です。岩の頂部から植物が力強く生え、複雑に絡み合う根が地面へと伸びる姿は、見る者に強い印象を与えます。また、見る角度によっては、その造形が人気キャラクター「トトロ」のようにも見えるというユニークな側面もあります。季節ごとに表情を変える植物や、周囲の樹木が織りなす色彩の変化も、この場所ならではの視覚的な楽しみです。
ネコバリ岩は、四季折々の自然を楽しむことができます。春から夏にかけては、新緑の鮮やかさと清流の透明感、そして力強く成長する植物の生命力を感じられます。秋(10月〜11月頃)には、周囲の紅葉が巨岩や渓流と美しいコントラストを描き、最も印象的な景観となります。冬期(11月下旬〜4月中旬頃)は積雪により、周辺道路の通行止めが発生する場合があるため、訪問の際は事前の確認が必要です。時間帯としては、日中の明るい時間帯に訪れることで、岩の質感や植物のディテールを明確に捉えることができます。

ここでは、本格的な登山やハイキングではなく、自然との対話を楽しむ軽めの散策が中心となります。林道を数百メートル歩いた先に現れるこの場所は、日常の喧騒を離れ、自然のエネルギーを感じるための静かな時間を提供します。周囲の環境は、自然観察や、静かな里山の雰囲気を感じたい方に適しています。また、ロケ地巡りとして、映画の世界観を想像しながら景色を楽しむことも、この場所ならではの楽しみ方です。
ネコバリ岩の周辺は、豊かな自然に囲まれたエリアです。馬場目川の上流部に位置するため、川の流れと共に自然を満喫できます。近隣には、観光客が立ち寄れる施設や、地域の特色を感じられるスポットが存在します。ドライブの途中に立ち寄り、短時間で印象的な景観を楽しむルートとしても組み込みやすいエリアです。
現地は自然豊かな林道や未舗装の区間を含むため、歩きやすい靴や服装での訪問が推奨されます。また、天候や季節によって環境が大きく変化するため、動きやすい服装を心がけてください。