ガイド
本栖公家行列は、山梨県富士河口湖町の山神社で行われる、約300年の歴史を持つ伝統的な祭礼行事です。地元の住民や出身者が、公家や侍、そして彼らに仕える人々へと扮して、美しい自然に囲まれた本栖湖周辺を練り歩きます。町の無形民俗文化財にも指定されており、日本の歴史的な風俗を現代に伝える貴重な文化遺産です。
この行列の起源には諸説あります。一つは、戦国時代の武将・武田信玄が、京都へ上ることができなかった無念を晴らすために、江戸時代の地元住民が京都の風俗を模して始めたという説です。また、徳川家から本栖関所の警備を命じられた渡辺囚獄佑(わたなべひとやのすけ)が、若者の士気を高めるために始めたという説も伝えられています。長い年月を経て、地域の伝統として大切に守り継がれてきました。
行列の最大の見どころは、公家や大名の傍らで仕える近侍(きんじ)や、伝統的な衣装を身にまとった人々による華やかな行列です。参加者が「アイヤサー、テーサー」という独特の掛け声とともに練り歩く姿は圧巻で、周囲の自然と相まって非常に幻想的な雰囲気を醸し出します。神事から行列へと続く一連の流れは、日本の精神文化を深く感じさせてくれます。
本栖公家行列は、毎年5月17日に開催されます。午前中には山神社の境内で厳かな神事が行われ、その後、11:00頃から14:00頃にかけて行列が国道沿いなどを練り歩きます。より深く伝統に触れたい場合は、行列が始まる前の神事の段階から見学することをお勧めします。
本栖湖周辺は、富士山の絶景を楽しめるエリアとして知られています。行列の際には、本栖湖の美しい景観とともに、日本の伝統的な祭礼の熱気を楽しむことができます。周辺には観光スポットも多く、富士山の麓での豊かな自然を満喫できるでしょう。