
ガイド
本川小学校平和資料館は、広島市の中心部に位置する、原爆の被害を直接的に伝える歴史的な施設です。昭和3年(1928年)に建設された本川尋常高等小学校の校舎は、爆心地からわずか410メートルの距離にありながら、その一部が被爆した状態で保存されています。鉄筋コンクリート造の校舎そのものが、当時の惨状を物語る貴重な資料となっています。建物自体が持つ歴史的価値と、内部に展示された数々の遺物や模型を通じて、戦争の記憶を次世代へと繋ぐ役割を果たしています。
この校舎は、広島市内では初となる鉄筋コンクリート造3階建ての公立小学校として誕生しました。L字型の構造や、2階・3階から荷物を落とすためのダストシュート、アーチ状の開口部など、当時の近代的な建築様式を備えています。1945年8月6日の原爆投下により、校舎は甚大な被害を受けましたが、その後、補修・改修を経て、1988年に平和資料館として開館しました。かつての教師が収集した被爆時の遺物や、広島平和都市記念碑(原爆死没者慰霊碑)の石室に刻まれた碑文の元となった書などが、この場所の歴史を支えています。

資料館の最大の見どころは、被爆した状態が保存されている校舎の建築構造です。壁の損傷や、当時の生活を反映した造りを確認できます。また、地下1階には、平和記念資料館本館に展示されていた、被爆時の広島の様子を再現した模型が移設されており、当時の街の様子を立体的に把握することができます。さらに、広島平和都市記念碑の碑文の由来となった書や、被爆した遺物、被害の様子を写した写真、そして平和への願いを伝えるパネル展示など、多角的な視点から歴史を学ぶことができます。
本資料館は、年間を通じて一定の歴史的価値を提供していますが、特に広島の平和学習に関連するイベントや、平和記念式典が行われる時期に合わせて訪問することで、より深い理解が得られます。開館時間は午前9時から午後5時までとなっており、学校の授業時間外や、観光の合間に立ち寄ることが可能です。建物内の展示は、照明によって落ち着いた環境で閲覧できるため、じっくりと歴史と向き合いたい場合は、午後の落ち着いた時間帯の訪問が適しています。

ここでは、展示品を閲覧することによる、歴史的な事実の確認が中心となります。かつての教師が収集した被爆遺物や、当時の広島の様子を再現した模型を観察することで、文字や写真だけでは伝わりにくい、当時の生活感や被害の規模を理解することができます。資料館内での展示内容は、平和の尊さを考えるための重要なリソースとなります。なお、団体での見学を希望する場合は、事前に指定の様式を用いて申し込みを行う必要があります。
本川小学校平和資料館は、広島市の中心部、広島平和記念公園や広島平和記念資料館からも比較的近いエリアに位置しています。広島電鉄の路面電車を利用して移動することができ、周辺には広島の歴史や文化を巡るためのスポットが点在しています。平和学習の一環として、周辺の記念碑や資料館と併せて訪問することで、より包括的な歴史理解が可能となります。
見学にあたっては、歴史的な場所であることを意識した、落ち着いた服装での訪問が推奨されます。建物内は、学校の校舎を利用しているため、段差や階段が存在します。動きやすい靴での訪問が適しています。支払いは無料ですが、施設内のルールを守り、静かに見学を行うことが求められます。また、学校の敷地内に入る際は、指定された北門から入るようにしてください。