
ガイド
又兵衛桜(またべえざくら)は、奈良県宇陀市大宇陀本郷に位置する、樹齢約300年とされるシダレザクラの一本桜です。「本郷の瀧桜(たきざくら)」という名称でも知られています。高さ約13m、幹周り約3mを超えるこの巨木は、大きな枝を広げ、春には薄桃色の花を咲かせます。その存在感のある姿は、多くの訪問者を惹きつける要素となっています。
この桜の名前は、戦国武将である後藤又兵衛(後藤基次)の伝説に由来しています。大坂の陣で活躍したとされる後藤基次は、豊臣家の崩壊後、現在の宇陀市大宇陀の地で生活を送っていたと伝えられています。桜が位置する場所は、かつての後藤家屋敷跡です。この歴史的な背景から、単なる自然景観としてだけでなく、地域の歴史を象片する場所として大切に守られています。また、2000年に放送されたNHK大河ドラマ『葵 徳川三代』のオープニング映像で使用されたことで、広く知られるようになりました。

最大の特徴は、圧倒的なスケールを誇るシダレザクラの姿です。枝が地面に向かって垂れ下がる様子は、その名の通り「瀧(滝)」のような形状を見せます。春の開花時期には、薄桃色の花が密集して咲き誇ります。また、開花時期に合わせて開催される「桜まつり」の期間中には、夜間のライトアップが行われます。暗闇の中に浮かび上がる桜の姿は、昼間とは異なる視覚的な特徴を持っています。
桜の見頃は、例年3月下旬から4月上旬にかけてです。この時期は開花状況により、薄桃色の花が満開となります。夜間はライトアップが実施されるため、夜の時間帯に訪問することで、ライトに照らされた桜の姿を確認できます。季節による開花状況については、事前に公式の情報やインターネットでの確認が推奨されます。
ここでは、自然の造形物としての桜の観察が中心となります。桜の周辺では、季節の移ろいとともに、静かな環境の中で景色を眺めることができます。また、周辺地域では歴史的な背景に触れながら、散策を行うことが可能です。写真撮影を行う場合は、周囲の環境に配慮した行動が求められます。
又兵衛桜が位置する大宇陀エリアは、自然豊かな環境にあります。周辺には「道の駅 宇陀路大宇陀」などの施設があり、地域特有の文化や歴史に触れることができます。また、レンタサイクルなどを利用して、周辺の風景とともに移動することも可能です。