
ガイド
山形県遊佐町にある「丸池様(まるいけさま)」は、鳥海山の伏流水のみで満たされた直径約20メートル、水深約3.5メートルの池です。最大の特徴は、その透き通ったエメラルドグリーンの水面です。高い透明度を誇る水に太陽光が当たり、光の屈折や吸収が起こることで、この独特の色合いが生み出されます。池の底からは絶えず水が湧き出しており、年間を通して水温は約11℃と低く保たれています。この冷たい水と絶え間ない水の入れ替わりにより、池の中に沈む倒木が腐敗することなく、原始的な景観を維持しています。
丸池様は、丸池神社の境外末社であり、池そのものが御神体として古くから信仰されてきました。ここには、平安時代の武将である鎌倉権五郎景政にまつわる伝説が残っています。前九年の役において、景政が敵に左の眼を射抜かれた際、この池で目を洗ったところ、池が血の色に染まったという言い伝えがあります。それ以来、この池に棲む魚はすべて片目になったと伝えられており、自然と歴史が結びついた神聖な場所として大切に守られています。

最大の要素は、光の加減によって表情を変えるエメラルドグリーンの水面です。晴れた日の日中には、水面に周囲の木々や空が映り込み、非常に鮮やかな色彩を見せます。また、池の中に沈んでいる倒木の姿は、まるで龍が眠っているかのような独特の景観を作り出しています。周辺には、縄文時代の遺跡である小山崎遺跡や柴燈林遺跡も存在しており、自然の景観とともに日本の古い文化を感じることができます。
丸池様を訪れる際、景観が最も鮮やかに見えるのは晴れた日のお昼前後です。太陽の光が水中に深く届くことで、エメラルドグリーンの色がよりはっきりと確認できます。季節を問わず訪れることができますが、天候の影響を受けやすいため、訪問の数日前には天候を確認しておくことが推奨されます。雨が続いた直後などは、落ち葉などが水面に浮き、景観が変わる場合があるため注意が必要です。

丸池様は自然保護と信仰の観点から、静かに景観を鑑賞することを主目的とした場所です。池の周辺を散策しながら、澄み切った空気と水の透明度を感じることができます。また、周辺には「鳥海三神の水」と呼ばれる湧水スポットもあり、鳥海山の豊かな自然の恵みに触れることができます。歴史的な背景を知ることで、単なる景観鑑賞以上の、精神的な充足感を得られる場所です。
丸池様の周辺には、歴史的な価値が高いエリアが広がっています。徒歩15分ほどの距離には、縄文時代中期から後期(約4,200年〜3,000年前)の集落跡である小山崎遺跡があります。ここは2020年に国指定史跡にもなっており、当時の水辺の環境を利用した生活の痕跡を学ぶことができます。また、近隣の「農林漁業体験実館『さんゆう』」では、地元産のそば粉を使用した金俣そばを味わうことも可能です。
丸池様は神聖な神社であり、天然記念物の原始林に囲まれた保護区域です。以下のルールを厳守してください。