
ガイド
旧邸御室は、京都府京都市右京区の御室エリアに位置する、昭和初期の建築様式を今に伝える邸宅です。約500坪の広大な敷地に、数寄屋造りの主屋、土蔵、茶室などが配置されています。この施設は、単なる観光施設ではなく、個展、コンサート、茶道・華道教室、企業研修、写真・動画撮影、フォトブライダルなどの用途に対応したレンタルスペースとして運営されています。昭和初期の風情をそのままに残した建築と、四季折々の表情を見せる日本庭園が、あらゆる活動の舞台となります。
本邸宅は昭和12年に建てられました。設計者や建設目的は不明ですが、建築物としての保存状態が極めて良好であり、その歴史的価値が認められ、平成28年には国登録有形文化財に登録されました。邸宅の南側には、天皇ゆかりの門跡寺院である仁和寺が隣接しており、地域における格式高い歴史的背景を持っています。かつての所有者には、歴史的な文脈を持つ人物も含まれており、地域の文化発展に貢献することを目的として運営されています。主屋、壁、土蔵、茶室双庵、茶室御待合の5箇所が文化財として登録されています。

施設内には、建築的な美しさを象徴する複数の空間が存在します。まず、日本庭園を見渡すことができる22畳の大広間は、網代の天井や一本木の敷居を備えた開放的な空間です。大広間の広縁からは、双ヶ岡の斜景を利用した美しい庭園を眺めることができます。庭園には大小合わせて15の灯籠が配置されており、奥には木造平屋建ての茶室「双庵」が佇んでいます。また、邸宅二階の洋間には6枚もの天井画があり、昭和初期特有のガラス細工なども見どころです。土蔵や茶室といった、各所に和の心が凝縮された空間が広がっています。
旧邸御室は、季節ごとに異なる景観を見せます。春の桜、初夏の緑、秋の紅葉、冬の静寂など、日本庭園の表情は時間帯や季節によって変化します。特に、庭園の景色は見る角度や光の当たり方によって異なる表情を見せるため、時間帯による変化があります。なお、本施設は通常レンタルスペースとして利用されていますが、特別公開が行われる際には、特定の時間設定(例:1部10:00〜、2部14:00〜など)で公開されることがあります。公開スケジュールは時期により異なるため、事前の確認が必要です。
本施設は、文化的な活動の場として多目的に活用されています。個展や落語、コンサートといった芸術表現の場、あるいは茶道・華道の教室、企業研修、セミナーなどの学習・交流の場として利用されます。また、歴史的な背景を持つ空間を活かした写真・動画撮影や、フォトブライダルなどの特別なイベントにも適しています。利用にあたっては、催しの内容による事前審査が必要となる場合があります。
旧邸御室は、世界遺産である仁和寺のすぐ隣に位置しています。御室エリアは、古くから文化人が多く住んでいた地域として知られ、平安初期の学者や鎌倉・江戸時代の文化人の足跡が残る歴史的な地区です。周辺には、歴史的な寺院や古墳群なども点在しており、文化的な散策に適した環境です。
文化財保護および施設利用に関するルールが定められています。建物内の壁や床への設置物は、建造物保護の観点から原則禁止されています。また、特別公開時などは、文化財保護のため、靴下(ストッキング不可)の着用が求められる場合があります。施設内は全域禁煙であり、喫煙は指定された屋外の喫煙場所のみ可能です。楽器の使用については、近隣への迷惑となる大音量のものは原則として禁止されており、使用する場合は事前の相談が必要です。駐車場は3台まで無料で利用可能ですが、特別公開時などは利用できない場合があるため、事前に申請が必要です。