ガイド
旧堀田邸は、明治時代に佐倉藩主であった堀田正倫伯爵によって建築された、極めて貴重な歴史的建造物です。邸宅部分は国の重要文化財(旧堀田家住宅)に指定されており、明治期の建築技術が色濃く残る和風建築の傑作です。また、周囲に広がる「旧堀田正倫庭園」は国の名勝に指定されており、現在は「さくら庭園」の名で親しまれています。日本の伝統的な美意識と、明治という時代の変遷を感じさせる建築様式が融合した、佐倉市を代表する文化施設です。
この邸宅は1890年(明治23年)に、最後の佐倉藩主であり、明治以降は華族として活躍した堀田正倫伯爵によって建てられました。建築様式には、伝統的な「つば造り」や「火打ち貫」といった和風の技法に加え、ボルトやナットを用いた西洋的な工法も混在しており、日本の建築が近代へと移行していく過渡期の様子を今に伝えています。庭園は、当時の名高い庭師である伊藤彦右衛門によって造られたもので、歴史的価値が非常に高いものです。一度は売却の危機にありましたが、市民による保存運動によって守り抜かれ、現在は文化財として大切に管理されています。
邸宅部分は、玄関棟、座敷棟、居間棟、書斎棟、湯殿、土蔵、門番所の計7棟で構成されています。一般公開されているのは玄関棟、座敷棟、居間棟の1階、および湯殿と庭園です。書斎棟や居間棟の2階、門番所などは、年数回の特別公開日にのみ見学することができます。また、庭園は「さくら庭園」として常時開放されており、季節ごとに異なる表情を見せます。春のピンク色の花、夏の青々とした芝生、秋の彩り、そして冬の雪景色と、四季折々の風景を散策しながら楽しむことができます。
旧堀田邸とその庭園は、四季を通じて美しい景観を楽しむことができます。春には美しい花々が咲き誇り、夏には瑞々しい緑が、秋には情緒ある風景が、そして冬には静謐な雪景色が訪れる人々を魅了します。季節ごとの具体的な花の見頃などは、公式サイトの「花暦」で確認することをお勧めします。また、邸宅部分は午前9時30分から午後4時30分(入館は午後4時まで)の間で公開されており、日中の明るい時間帯に訪れることで、和風建築の細部や庭園の色彩をより鮮明に感じることができます。
ここでは、日本の伝統的な建築様式を間近で見学できるほか、美しい日本庭園を歩いて巡る散策体験ができます。また、旧堀田邸は映画やドラマのロケ地としても有名で、『坂の上の雲』や『侍戦隊シンケンジャー』などの作品の撮影が行われました。さらに、佐倉市のサムライRPG『天倫の桜』の訪問スポットにも指定されており、現地でGPS通信を行うことで、ゲームの要素を楽しむことも可能です。歴史的な空間の中で、日本の文化的な深みに触れることができます。
旧堀田邸の周辺には、歴史的な情緒あふれるエリアが広がっています。近くには「佐倉武家屋敷」があり、江戸時代の面影を残す街並みを楽しむことができます。また、歴史的な資料を展示している「佐倉順天堂記念館」も徒歩圏内にあります。これら三つの施設を巡ることができる「三館共通入館券」を利用すれば、佐倉の歴史をより深く、効率的に体験することが可能です。周辺の古い商店街を歩くのも、旅の楽しみの一つとなるでしょう。
邸宅内を見学する際は、伝統的な建築を守るため、マナーを守って行動してください。入館料の支払いは現金のみとなっており、キャッシュレス決済は利用できません。お釣り(特に小銭)を用意しておくとスムーズです。また、一部のエリアは特別公開時のみとなりますので、事前に確認が必要です。駐車場は指定の場所(佐倉厚生園病院駐車場内)を利用してください。