
ガイド
久留里城は、千葉県君津市の丘陵地に位置する歴史的な城郭跡です。別名「雨城(うじょう)」とも呼ばれており、その名の通り霧や雨に包まれやすい地形的特徴を持っています。中世から近世にかけて、里見氏や黒田氏など、数々の有力な氏族がこの地を拠点としてきました。現在は、昭和53年に再建された天守閣や、歴史的な資料を展示する「久留里城址資料館」が整備されており、房総半島における城郭文化の歴史を今に伝える重要な拠点となっています。
久留里城の起源については、平安時代中期の猛将である平将門の三男、東少輔頼胤(とうのしょうゆうよりたね)が初めてこの地に砦を構えたという伝説が伝えられています。ただし、これには確証はなく、歴史的な背景としては中世の里見氏、そして近世の黒田氏といった城主が歴史を刻んできました。明治4年秋に廃城となった後も、その歴史的価値は高く評価されており、明治百年事業の一環として天守閣の再建が行われるなど、地域の人々に大切に守られてきた場所です。

最大の見どころは、昭和53年に完成した鉄筋コンクリート造の天守閣です。高さは約15mで、延べ面積は約190平方メートルに及びます。外壁は、かつての城の様式を模した白の漆喰壁と、南京下見板風のデザインが施されており、日本の伝統的な城郭の意匠を再現しています。また、周囲には安山岩を約2mの高さに積み上げた石垣が四方に巡らされており、当時の築城技術の面影を視覚的に感じることができます。
久留里城は、地形の影響で霧が発生しやすいことが特徴です。霧が立ち込める時間帯には、城が雲や霧に隠れる幻想的な風景が見られることがあります。季節を問わず散策が可能ですが、資料館の開館時間や天候に合わせた訪問が推奨されます。歴史的な情緒を感じるには、晴天の日だけでなく、少し霧がかったようなしっとりとした天候の日も、独特の雰囲気を感じられるでしょう。

城跡周辺では、自然に囲まれた環境での散策が可能です。城址資料館では、地域の歴史や文化に関する展示が行われており、地域の成り立ちを学ぶことができます。また、ミニ展示として地域の伝統的な人形などの文化を紹介する企画展が行われることもあり、地域の歴史文化の深さに触れることができます。
久留里城の周辺は、自然豊かな環境が広がっています。君津市の豊かな自然を感じながら、城跡の周囲を歩くことで、リラックスした時間を過ごすことができます。また、地域によっては伝統的な工芸や文化を紹介する展示が行われている施設もあり、城跡観光と併せて地域の文化に触れることができます。

散策には動きやすい服装と歩きやすい靴が適しています。城跡や公園内は自然な地形であるため、足元に注意してください。