
ガイド
小清水原生花園は、網走国定公園内に位置する、北海道の貴重な自然遺産です。2004年には「次の世代に引き継ぎたい北海道の宝物」として北海道遺産にも登録されました。最大の特徴は、人の手によって作られた花畑ではなく、自然のままに自生する「天然の花畑」であることです。年間で約200種類もの野生の花々を見ることができ、その素朴ながらも力強い美しさは、訪れる人々を魅了して止みません。
かつてこの地は、馬や牛の放牧が行われていた場所でした。しかし、1980年頃に放牧や蒸気機関車の運行が終了すると、牧草が繁茂し、かつての美しい花々の姿が失われる危機に直面しました。この自然を再生させるため、1990年に北海道大学の研究チームによる調査が行われ、1993年からは植生回復のための「火入れ(野焼き)」が開始されました。現在も、毎年5月初旬に地域の関係機関が協力して火入れを実施することで、野生の花々が咲き誇る環境が守られています。

最も華やかな季節は6月中旬から7月中旬にかけてです。この時期、丘の上はエゾスカシユリやエゾキスゲ、ハマナスなどの花々が咲き乱れ、色彩豊かな絶景が広がります。また、季節ごとに異なる表情を見せる植物の数々や、オホーツクの自然が育んだ野鳥の姿も観察できるでしょう。インフォメーションセンターでは、これら四季の移ろいや、自然を守るための取り組みについても学ぶことができます。

自然散策を通じて、野生の植物や野鳥との出会いを楽しむことができます。インフォメーションセンター「HANA」では、大画面シアターによる映像展示や、長年撮影された美しい四季の写真展示が行われており、散策前に現地の自然への理解を深めることができます。また、施設内のショップでは軽食の提供もあり、自然に囲まれたリラックスした時間を過ごせます。
周辺には、美しい夕焼けが見られる海岸線や、自然豊かな「濤沸湖(とうふつきこ)」、さらには季節の花々を楽しめる「ゆりの郷こしみずリリーパーク」など、オホーツクの自然を満喫できるスポットが点在しています。
