
ガイド
城崎文芸館は、兵庫県豊岡市の城崎温泉街に位置する、文学と温泉の歴史をテーマとした施設です。1996年に現在の建物が完成し、城崎温泉を訪れる多くの文人墨客たちが残した足跡を、書籍や書簡、資料を通じて紹介しています。常設展示では、近代文学を代表する作家たちの活動を、城崎という土地との関わりと共に展示しています。また、半年ごとに内容が変わる企画展では、現代の作家や城崎独自の出版レーベルに関する展示が行われ、常に新しい視点で文学と地域文化の繋がりを発信しています。1階には「SHOP & SALON KINOBUN」が併設されており、城崎ゆかりの作家に関連する書籍やオリジナル商品を扱うほか、入り口横には無料で利用できる手・足湯も用意されています。
城崎温泉は古くから湯治の地として知られ、1400年前のコウノトリ伝説から続く歴史を持っています。特に近代においては、小説家・志賀直哉が1913年に城崎を訪れ、その滞在を綴った『城の崎にて』を発表したことで、城崎は文人たちが集まる場所として広く知られるようになりました。志賀直哉をはじめとする白樺派の作家たちが多く訪れたことから、城崎は「歴史と文学といで湯の街」としての地位を確立しました。かつて1925年の北但大震災による火災で多くの資料が失われましたが、それらを保護し、城崎の歩みを後世に伝えるために、この文芸館が設立されました。現在は、過去の文人と現代の表現者が交差する場として、文化の継承が行われています。
本館の主な展示内容は、大きく分けて常設展と企画展の二つがあります。常設展示では、志賀直哉や白樺派の作家たちがどのように城崎の町や人と関わったのかを、書簡や貴重な資料を通して紹介しています。また、富岡鉄斎の作品など、城崎ゆかりの文人に関連する所蔵品も展示されています。企画展では、現代の作家である万城目学氏や湊かなえ氏といった著名な作家と、城崎温泉との関わりをテーマにした展示が行われます。また、城崎国際アートセンター(KIAC)との連携による、文学を演劇や映像へと昇華させた展示が行われることもあります。1階の展示室「城崎温泉の記憶」では、入浴券の変遷や震災からの復興など、城崎温泉が歩んできた歴史を視覚的に学ぶことができます。
施設は年間を通じて開館していますが、季節ごとの企画展の内容によって、体験できるテーマが変化します。文学作品の世界観をより深く味わうためには、事前に公式サイト等で企画展のテーマを確認することが有効です。また、1階に設置された手・足湯は、散策の合間に立ち寄るのに適しており、季節を問わずリラックスした時間を過ごせます。夕方の時間帯に訪れると、温泉街の落ち着いた雰囲気と共に、文学的な情緒を感じることができます。
城崎文芸館では、単なる資料の閲覧に留まらない体験が可能です。1階の「SHOP & SALON KINOBUN」では、城崎ゆかりの書き手にまつわる限定の本やオリジナルグッズの購入ができます。また、館外の入り口付近にある手・足湯では、温泉の恩恵を気軽に体験することができます。さらに、企画展の内容によっては、映像インスタレーションを用いた文学作品の立体的な体験や、現代のアートと文学が融合した展示を楽しむことができます。
文芸館は城崎温泉街の中心部に位置しており、周辺には多くの温泉旅館や飲食店、そして城崎温泉駅があります。展示を楽しんだ後は、温泉街の散策や、温泉街のシンボルである「外湯」での入浴を楽しむのが一般的なコースです。また、近隣には城崎国際アートセンターもあり、芸術や文化をテーマにしたエリアとして発展しています。
施設内は落ち着いた環境で、展示資料を保護するため、以下のルールを守って利用してください。