
ガイド
菊屋家住宅は、山口県萩市にある国指定重要文化財の邸宅です。かつて毛利藩の御用商人として活躍した豪商、菊屋家の住居であり、藩の賓客をもてなす迎賓館としての役割も果たしていました。江戸初期の建築様式を色濃く残しており、現存する大型の町家としては最古の部類に属する歴史的な建造物です。約2000坪の広大な敷地のうち、現在は約3分の1が公開されており、当時の暮らしを伝える美術品や民具、そして美しい日本庭園を同時に見ることができます。
菊屋家は、大内氏による統治時代には武士の身分でしたが、萩城の築城に伴い、有力な町人として萩の街づくりに貢献しました。代々の当主は、萩藩の御用を務めるなど、地域の発展や社会事業にも深く関わってきました。主屋をはじめとする5棟の建物が国指定重要文化財に指定されており、日本の歴史と文化を象徴する重要な遺構です。この地域は、江戸時代の面影を残す城下町として知られています。

館内では、歴史を感じさせる建築物と、そこに展示された貴重な資料を鑑賞できます。主屋、本蔵、金蔵、米蔵、釜場の各建物は、それぞれ異なる趣を持っており、当時の暮らしぶりが伝わる美術品や古書籍、民具などが展示されています。また、季節ごとにしつらえが変わる日本庭園も見どころの一つです。建物内には3D映像による解説もあり、視覚的にも理解を深めることができます。
菊屋家住宅は、季節によって異なる表情を見せます。特に4月末から5月中旬、および10月末から11月末にかけては、敷地全体の公開が行われる時期であり、より広範囲にわたる建築や庭園を鑑賞することが可能です。また、特定の時期には「ナイトミュージアム&夜カフェ」が開催され、江戸時代を思わせる灯りの中でライトアップされた美しい書院庭園を眺めながら、カフェタイムを楽しむことができます。

単なる見学だけでなく、より深い文化体験ができるプランも用意されています。専任のガイドによる「ガイド付き見学」では、通常は非公開である新庭庭園も含めた丁寧な解説を受けることができます。また、「呈茶付き見学」では、由緒ある座敷や茶室にて、こだわりの萩焼茶碗を用いて抹茶をいただく体験が可能です。その他、フォトウェディングや記念撮影のための施設使用も受け付けています。
菊屋家住宅は、萩城下町の美しい景観の中に位置しています。周辺には「日本の道100選」にも選ばれた美しい路地があり、歴史的な街並みを歩くことができます。また、レンタサイクルやシェアサイクルを利用して、城下町の他の史跡を巡るのもおすすめです。
見学の際は、歴史的な建築物を保護するため、足元に注意した服装をお勧めします。また、展示品や建物への配慮をお願いいたします。