
ガイド
毛無峠は、長野県高山村と群馬県嬬恋村の境界に位置する標高1,823mの峠です。名称の由来通り、周囲に高い樹木が少なく、地面が露出した荒涼とした風景が広がるのが特徴です。この景観は、かつて行われていた硫黄採掘の歴史に関連しています。現在は、かつての小串鉱山から資材を運搬するために使用された索道(ロープウェイのような搬送設備)の鉄塔跡などが残されており、自然と産業遺構が混ざり合った独特の景観が広がっています。
この地域は、明治時代から大正時代にかけて硫黄の採掘が行われていました。精錬のために周辺の樹木が伐採されたことや、精錬時に発生する亜硫酸ガスの影響により、周辺の植生が変化した歴史があります。1937年には大規模な地すべり災害が発生し、多くの犠牲者が出た歴史も刻まれています。また、近年ではインターネット上のミームや、映画『翔んで埼玉』、アーティストのミュージック・ビデオ(LiSAやback numberなど)のロケ地としても注目を集めています。

最大のハイライトは、かつての鉱山で使用されていた索道跡の鉄塔が並ぶ風景です。荒涼とした大地に立つ鉄塔の姿は、非常に印象的な景観を作り出しています。また、群馬県と長野県の県境を示す看板も、その独特な雰囲気から話題となるスポットです。登山道も整備されており、破風岳や毛無山、御飯岳へと続くルートも存在します。天候が良い日には、周囲の山々を見渡すパノラマビューが広がります。
ベストシーズンは、植物や花の景観が変化する6月から9月にかけてです。夏季は登山やハイキングに適していますが、高標高地であるため天候の変化が激しいことが特徴です。霧が発生しやすい時間帯があるため、視界が開ける晴天の日を見計らうのが望ましいです。なお、冬季(11月中旬から5月中旬)は万座道路が閉鎖されるため、車両でのアクセスができない点に注意が必要です。

自然散策やハイキング、登山を楽しむことができます。特に、かつての産業遺構を眺めながらのトレッキングは、この場所ならではの体験です。また、撮影愛好家にとっては、映画やMVの世界観を彷沢したような、ドラマチックな風景を背景にした写真撮影が可能です。ただし、火山活動や天候の影響を受けやすいエリアであるため、現地の状況を確認することが重要です。
周辺には、草津白根火山などの火山地帯が広がっています。また、高山村や嬬恋村の自然豊かなエリアに位置しており、ドライブや登山と併せて訪れることができます。須坂方面からは長野県側、草津方面からは群馬県側からのアクセスが可能です。
標高が高いため、夏場でも気温が低くなることがあります。防寒着や、天候の変化に対応できるレインウェアの準備を推奨します。また、未舗装の路面や登山道があるため、歩きやすい靴が適しています。なお、閉鎖されている坑道付近からは亜硫酸ガスが噴出している可能性があるため、指定されたエリア外への立ち入りは控えてください。現金やクレジットカードの扱いは、周辺に店舗がないため、事前に準備しておくことが望ましいです。英語での案内板やスタッフの対応は限定的であるため、事前の情報収集を推奨します。