
ガイド
河口湖稚児の舞(かわぐちのちごまい)は、山梨県南都留郡富士河口湖町の河口浅間神社に伝承されている民俗芸能です。この舞は、巫女舞による太々神楽を原型としていると考えられており、国の重要無形民俗文化財に指定されています。昭和35年(1960年)には山梨県の無形民俗文化財に指定されました。地域では「オダイダイ」とも呼ばれ、富士山の麓の信仰と深く結びついた文化として守られています。
この舞の歴史は古く、かつては道者(富士登山者)による富士登山が盛んだった近世において、登山前の道者の依頼によって奉納されていたという記録があります。稚児(踊り手)となるのは、7歳から12歳までの少女たちです。古くは神職や御師(お師)の子女に限られるなどの条件がありましたが、現在は氏子の子女から広く選ばれています。また、奉納にあたっては、4月の例大祭の際には生ものを口にしない、毎朝火打石による切り火で身を清めるなどの伝統的な禁忌や作法が現在も守られています。
舞は「5番立て」と呼ばれる構成で、それぞれの舞で異なる道具(採物)を用います。少女たちは白の小袖の上に、緋色の千早と指貫袴を着用し、刺繍を施した陣羽織を重ね、顔には化粧を施して、頭には瓔珞(ようら)を被ります。右手に鈴を持ち、左手で扱う道具が変わる各舞の内容は以下の通りです。
河口湖稚児の舞は、特定の祭礼時期にのみ奉納されるため、観覧には日付の確認が必須です。
この催事は、実際に踊りに参加する体験型のアクティビティではなく、河口浅間神社の祭礼において伝統的な儀式を観覧する文化的な行事です。囃子手(楽器奏者)による大太鼓や笛の音色とともに、伝統的な装束を纏った少女たちの舞を拝殿や神社の境内で見ることができます。
河口浅間神社は富士河口湖町の河口湖北岸に位置しています。周辺には富士五湖の一つである河口湖があり、富士山の景観とともに地域の歴史的な文化に触れることができます。また、富士河口湖町内には大正時代に伝わったとされる別の稚児舞の伝承も存在します。