ガイド
泉山磁石場は、佐賀県有田町に位置する、日本における磁器生産の歴史を語る上で欠かせない国指定史跡です。17世紀初頭、朝鮮人陶工の李参平(金ケ江三兵衛)らによって、この地で良質かつ豊富な陶石が発見されました。これがきっかけとなり、日本における磁器の大量生産が成功し、有田焼の歴史が大きく動き出しました。かつては最高級の原料として「御用土」と呼ばれたものも含まれ、国内外の多くの人々を魅了してきた有田焼のルーツとも言える場所です。
有田焼の歴史は、この泉山での陶石発見から始まりました。当時の有田では、内山、外山、大外山といった区分があり、使用される石場(当時は土場と表記)によってもその価値が区別されていました。特に大川内山で使用される最高級の原料は、歴史の中で非常に重要な役割を果たしてきました。昭和55年には、その歴史的価値が認められ、一部が国の史跡に指定されています。現在は、陶石の採掘はほとんど行われておらず、代わりに熊本県天草などの陶石が使用されていますが、ここは今もなお有田焼の精神的な拠点として大切にされています。
最大の魅力は、広大な磁石場の採掘跡です。南北約400m、東西約250mにわたる規模を誇る採掘跡には、かつて人力で採掘が行われていた時代の名残を感じることができます。採掘坑の跡からは、周囲の風景や英山(はなぶさやま)を望むことができ、当時の過酷な作業環境を想像させる貴重な歴史的景観となっています。なお、採掘坑の内部に入ることはできませんので、外側からの見学となります。
毎年11月に開催される「秋の有田陶磁器まつり」の期間中には、一部のエリアが開放されます。この時期には、美しい紅葉とともに、普段は見ることのできない景色を楽しむことができるため、季節限定の特別な体験として非常におすすめです。
泉山磁石場周辺には、有田焼の歴史を深く知ることができるスポットが点在しています。周辺の町並みや、陶磁器の文化を体験できる施設を巡ることで、より深く有田の魅力を感じることができるでしょう。