
ガイド
石見畳ヶ浦は、島根県浜田市に位置する国の天然記念物に指定されている景勝地です。海に突出した標高約50mの丘陵の先端に位置し、波による浸食によって形成された約25㎡の海食崖(かいしょくがい)と、約49,000㎡に及ぶ広大な波食棚(はしょくほう)が広がっています。この波食棚には、縦横に規則正しく走る小さな亀裂があり、その様子が畳を敷き詰めたように見えることから「千畳敷」または「床ノ浦」とも呼ばれます。自然の力強さと、造形美が共存する場所です。
この地は古くから石見の代表的な名所として、和歌にも詠まれてきた歴史があります。地層の成り立ちを見ると、かつての陸地が海底へと変化していく過程を留めています。砂岩層には、かつての海の環境を示す貝や植物の化石が残されており、自然の変遷を物語る「天然の博物館」としての側面を持っています。昭和7年3月25日に国の天然記念物に指定されました。

石見畳ヶ浦には、自然が作り出した多様な造形物が点在しています。波の浸食によって現れた、腰掛け状の丸い岩(ノジュール)や、多くの断層、そして海食洞(かいしょくどう)が見られます。また、砂岩層からは無数の貝の化石や、クジラの化石なども確認できるスポットがあり、地質学的な価値も高い場所です。地形の起伏や、波によって削られた岩肌の質感は、訪れる者に自然の造形美を提示します。
石見畳ヶ浦は、天候や光の当たり方によって景観が変化します。晴天時には、青い空と海、そしてベージュや茶色を基調とした岩肌のコントップラストが鮮明になり、フォトジェニックな景色となります。潮の満ち引きによっても、波食棚の露出具合や、岩場にできるタイドプール(潮だまり)の様子が変わります。自然の造形を観察するには、明るい時間帯の訪問が適しています。
ここでは、自然の造形美を観察する体験が中心となります。広大な波食棚を歩きながら、自然が作り出した「きのこ岩」のような独特な形状の岩や、洞窟の中から外の景色を眺めるような体験が可能です。また、地層の中に含まれる貝の化石や、自然の凹凸が作り出したハート型の模様など、自然が作り出した形を探すことも、この場所ならではの楽しみ方です。
周辺には、浜田市の自然を感じられるスポットが点在しています。海岸沿いの景観を楽しむことができるほか、地域によっては音声機能付きの自動販売機など、地域の特色を活かしたユニークな施設も存在します。自然観察とあわせて、地域の文化や特色に触れることができます。
岩場や砂地を歩くため、足場の悪い場所があります。歩きやすい靴や、動きやすい服装での訪問を推奨します。また、海岸沿いの自然環境を保護するため、ゴミの持ち帰りや、指定されたエリア外への立ち入りには注意してください。