
ガイド
石名天然杉は、佐渡島の北側、大佐渡山地の標高約900m付近に位置する天然杉の巨木群です。この場所の最大の魅力は、自然の厳しさによって形作られた独特な姿を持つ杉の木々です。強風や霧といった厳しい自然環境に揉まれ、通常の杉とは異なる奇抜で芸術的な枝振りを実現しました。材木としての利用に適さないほど曲がった姿になったことが、結果として伐採を免れ、貴重な天然の姿として今日まで残ることとなりました。中には樹齢300年を超えるものもあり、生命の力強さを感じることができます。
この地にある天然杉は、古くから自然の驚異として親しまれてきました。その独特な造形美は、写真家・天野尚氏の作品が洞爺湖サミットの会場に飾られたことで世界的に注目を集めました。こうした背景から、自然の造形美をより多くの人が安全に鑑賞できるよう、2011年(平成23年)に遊歩道が整備されました。単なる森林ではなく、自然が作り出した彫刻作品とも言える文化的な価値を持つ景観です。

約650mの遊歩道沿いには、公募によって名前が付けられた個性豊かな巨木が点在しています。特に以下の木々は必見です。
また、コースの途中には展望台が設置されており、天候に恵まれた日には、遠くに粟島や大野亀といった美しい島々の景色を望むことができます。
石名天然杉は、季節や天候によってその表情を大きく変えます。霧が立ち込める時間帯は、より神秘的で幻想的な雰囲気を味わえますが、晴天時には周囲の島々を望む絶景が楽しめます。なお、冬季(11月中旬〜5月下旬)は遊歩道が閉鎖されるため、訪問の際は季節を確認してください。

整備された遊歩道を利用した、自然散策(ネイチャーウォーク)がメインとなります。起伏が少ないコースとなっているため、本格的な登山装備がなくても、気軽に原生林の空気を感じることができます。自然の造形美を写真に収めるフォトグラフィーも、この場所ならではの楽しみ方です。
周辺には、佐渡の自然を満喫できるスポットが豊富にあります。高山植物や山野草が楽しめる「ドンデン山」や、美しい景観を持つ「ドンデン高原ロッジ」、歴史ある「石名清水寺」など、自然と文化が融合したエリアです。また、海沿いには「国民宿舎 海府荘」などの宿泊施設や、新鮮な海の幸を楽しめる飲食店も点在しています。
遊歩道は整備されていますが、自然の中を歩くため、歩きやすい靴での訪問をおすすめします。季節によって天候が変わりやすいため、天候の変化に対応できる服装を準備してください。なお、アクセスに関する詳細な規制や、工事による通行制限については、事前に公式サイト等でご確認ください。