
ガイド
茨城県立歴史館は、茨城県の水戸市に位置する、歴史博物館と文書館の二つの機能を併せ持つ施設です。1974年の開館以来、茨城県の歴史に関する膨大な資料を収集・保存しており、地域の歩みを伝える重要な拠点となっています。敷地内は非常に広大で、単なる展示室の閲覧にとどまらず、江戸時代の農家建築や明治時代の洋風校舎といった歴史的な建造物が保存されており、当時の建築様式を間近に確認できる点も大きな特徴です。
当館は、旧茨城県立水戸農業高等学校の敷地に建設されました。敷地内には、かつての「旧水戸農業高等学校本館」が保存されており、地域の教育と発展の歴史を物語っています。また、一橋徳川家から寄贈された貴重な資料や、三昧塚古墳から出土した国指定重要文化財の金銅馬形飾付透彫冠など、極めて価値の高い文化財を多数収蔵しています。これらの資料は、茨城の地が歩んできた独自の文化や、政治・社会の変遷を理解するための重要な鍵となっています。

展示は主に2階の展示室と1階のロビー、そして屋外施設に分かれています。2階の展示室では、美術工芸品や古文書、マイクロフィルムを用いた詳細な展示が行われています。特に一橋徳川家記念室は、徳川家ゆかりの品々が並ぶ特別な空間です。また、屋外に保存されている江戸時代の農家建築や、明治時代の面影を残す洋風校舎は、建築史的にも価値が高く、当時の生活様式を視覚的に理解できる貴重なスポットです。さらに、三昧塚古墳から出土した金銅馬形飾付透彫冠などの重要文化財も、歴史の深さを象徴する展示物として注目を集めています。
当館は通年で展示が行われていますが、季節によって異なる表情を見せます。屋外の歴史的建造物や敷地内を散策する際は、天候の良い日や、季節の移り変わりを感じられる時期が適しています。また、展示解説員による解説が行われる時間帯(水曜日の午後、または土日祝日の午前・午後)に合わせて訪問すると、より深い知識を得ることができます。展示解説は、展示室の入口付近に集まることで参加可能です。

展示解説員による解説プログラム(約30分)は、歴史の概観をわかりやすく理解するための貴重な機会です。事前申し込みは不要で、指定された時間に展示室入口へ集まることで参加できます。また、敷地内の歴史的建造物を巡ることで、展示室で学んだ知識を実際の建築物を通して確認する、立体的な歴史体験が可能です。静かな環境の中で、古文書や美術品をじっくりと観察する時間は、日常を離れた知的なひとときを提供します。
当館は水戸市の中心部に位置しており、有名な観光名所である「偕楽園」の北隣にあります。偕楽園への観光と併せて訪れることで、水戸の歴史と文化を効率よく巡ることができます。周辺には水戸市の歴史を感じさせる街並みや、他の博物館施設も点在しており、文化的な散策ルートとして組み込むことが可能です。
敷地内には屋外の建築物や広大なエリアがあるため、歩きやすい靴での訪問が適しています。展示室内では、貴重な美術品や古文書を守るため、静かに鑑賞し、指定されたエリア以外での撮影や飲食は控える必要があります。展示解説員による解説を受ける際は、開始時刻に合わせた移動を心がけてください。また、筆記用具やメモ帳があると、学んだ内容を記録する際に役立ちます。