
ガイド
鳳来寺山(ほうらいじさん)は、愛知県新城市に位置する標高695mの山です。この山は、約1,500万年前から2,000万年前にかけての火山活動の名残である流紋岩などの岩石で構成されています。山頂付近には、真言宗五智教団の本山である鳳来寺が鎮座しており、古くから信仰の対象として大切に守られてきました。自然環境が非常に豊かであり、国の名勝および天然記念物にも指定されています。また、岩崎元郎による新日本百名山のひとつとしても知られており、自然愛好家やハイカーに親しまれているスポットです。
鳳来寺山の歴史は非常に古く、約1,300年前(西暦703年)に利修という仙人によって開山されたと伝えられています。伝説によれば、当時の文武天皇が病に伏せっていた際、利修仙人が鳳凰に乗って都へ向かい、7日間の加持祈祷によって病を治したといいます。この御礼として伽藍が建立され、仙人が鳳凰に乗ってやってきたことにちなんで「鳳来寺」の名が付けられました。この歴史的背景から、山全体に神聖な空気が漂っており、文化的な価値も非常に高い場所です。また、江戸時代の浮世絵にもその名所が描かれるなど、古くから多くの人々を魅了してきました。

鳳来寺山の最大のハイライトは、山の中腹へと続く「表参道」です。ここには1,425段もの石段が続いており、登る過程で歴史的な建築物や自然の造形美を楽しむことができます。
鳳来寺山では、四季折々の自然を楽しむことができます。春には花々が咲き誇り、夏には豊かな緑が、秋には紅葉が、冬には澄んだ空気の中での景色が楽しめます。登山道や自然観察路は通年開放されていますが、季節によって景色が大きく変わるため、訪れる時期に合わせて準備を整えることが重要です。

登山やハイキングが主なアクティビティです。東海自然歩道が通っており、門谷からの表参道、大野からのコース、北側の棚山高原からの縦走コースなど、多様なルートが存在します。また、山中には松尾芭蕉や山頭火、若山牧水の句碑があり、文学的な雰囲気を感じながらの散策も可能です。自然観察路では、コノハズクなどの野生動物や、多様な植物、昆虫(アカタテハやオオムラサキなど)の観察を楽しむことができます。
鳳来寺山の周辺には、歴史や自然を感じられるスポットが点在しています。山麓には湯谷温泉があり、登山後の疲れを癒やすのに最適です。また、徳川家康を祀る鳳来山東照宮も近くに位置しています。周辺には、自然を満喫できるバーベキュー施設や、地元の味を楽しめる五平餅の販売店などもあり、観光の幅を広げることができます。
登山やハイキングを伴うため、適切な装備が求められます。