ガイド
本福寺 水御堂は、兵庫県淡路島の北東部、大阪湾を一望できる高台に位置する真言宗御室派の寺院です。平安時代後期に建立された歴史ある寺院ですが、最大の特徴は、世界的建築家である安藤忠雄氏によって設計されたモダンな「水御堂」です。コンクリート造りの楕円形の水盤(蓮池)が本堂を包み込むユニークな構造をしており、自然と建築、そして宗教的な精神性が高度に融合した、世界でも類を見ない美しい空間を作り出しています。
本福寺は、平安時代後期に創建された歴史ある寺院であり、本尊の薬師如来像は淡路市の指定重要文化財にも指定されています。水御堂の建設にあたっては、当初、伝統的な寺院の形式を大きく変えることへの反対もありましたが、安藤氏の「人が集まり、心の豊かさを感じられる空間」という哲学と、高名な僧侶の支持によって、現在の形へと辿り着きました。この建築は、第34回建設業協会賞を受賞するなど、現代建築の傑作としても高く評価されています。
最大の魅力は、直径40mの広大な蓮池の中に本堂が鎮座する、水御堂の構造です。雑木林を抜けた先に現れる大きな曲面の壁は、俗界と聖界の境界を象徴しています。水面を切り裂くように設けられた階段を降り、朱塗りの回廊を進むと、静寂の中に本尊が安置された本堂へと至ります。大扉が開け放たれると、光が内部に差し込み、本堂を朱色に染め上げることで、まるで極楽浄土が現れたかのような神秘的な演出を楽しむことができます。
季節ごとに異なる表情を見せる植物が、訪れる人々を魅了します。4月上旬にはソメイヨシノが咲き誇り、5月から9月にかけては水面に色とりどりのスイレンが浮かびます。特に6月から7月にかけては、約2000年前の地層から発見されたとされる「大賀ハス」が大輪の花を咲かせ、より一層神秘的な雰囲気を醸し出します。季節を変えて訪れることで、水と花が織りなす建築の美しさを異なる角度から味わうことができます。
本福寺は淡路島の北東部に位置しており、周囲には豊かな自然が広がっています。大阪湾を見渡せる高台にあるため、建築物だけでなく、周囲の景観とともにこの場所の静寂を楽しむことができます。
本堂へは水盤の中にある階段を降りて入ります。建築の美しさをじっくりと鑑賞するため、落ち着いた服装での訪問をおすすめします。