
ガイド
平川家住宅は、福岡県うきは市浮羽町田篭の山間部、筑後川の支流である隈上川沿いに位置する、国の重要文化財に指定されている歴史的な建造物です。この住宅は、かつてこの地域で庄屋を務めていた平川家の旧家として知られています。建築年代は明確ではありませんが、その構造や手法から18世紀末から19世紀初頭頃に建設されたものと考えられています。最大の特徴は、筑後川流域や佐賀県で見られる「くど造り」と呼ばれる独特の屋根形状です。上から見ると棟が「くの字」または「コの字」の形をしたこの形式は、日本の伝統的な農家の意匠を象列しています。
この住宅は、江戸時代中期から後期にかけての建築様式を保持しています。主屋の「ざしき」部分には、文政3年(1820年)の墨書が残されており、この時期に増築が行われたことが示されています。また、納屋は明治時代の建築とされています。平川家は当地の庄屋を務めていた家系であり、その規模の大きさと建築の精巧さは、当時の地域の社会的地位や経済的な発展を反映しています。1971年(昭和46年)6月22日に、主屋と納屋が国の重要文化財として指定されました。
平川家住宅は、主屋と納屋の2棟で構成されています。主屋は平屋建ての寄棟造りで、厚みのある茅葺き屋根が特徴です。主屋の内部は、右側の棟が居室部、左側の棟が土間部となっており、生活空間としての機能が明確に分かれています。居室部には「ごぜん」「だいどころ」といった名称の部屋が並び、その背後には「ざしき」「なかなんど」「かわなんど」といった寝室や居住スペースが配置されています。また、土間部には「芋がま」や「大くど」と呼ばれる伝統的な調理設備が現在も残されています。外観では、正面に三つの妻面が並ぶ堂々とした佇まいと、重厚な茅葺き屋根の造形が視覚的な特徴となっています。
平川家住宅は、周囲を自然に囲まれた環境にあります。季節によって、茅葺き屋根の質感や周囲の植生の変化を楽しむことができます。外観の見学は自由に行えるため、日中の明るい時間帯に訪れることで、屋根の形状や建物の細部を鮮明に確認できます。また、この地域は「新川田篭集落」として国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されており、四季折れる日本の原風景を楽しむことができます。
ここでは、日本の伝統的な暮らしの構造を視覚的に確認することができます。主屋の内部構造や、土間部分に残る伝統的な調理設備などは、当時の生活様式を伝える貴重な資料です。内部の見学については、事前に連絡を行うことで、建築の細部や生活空間の構造をより深く確認することが可能です。また、周囲の自然環境とともに、日本の古い農村の景観を散策することも、この場所ならではの楽しみ方です。
平川家住宅が位置する新川田篭集落は、隈上川に面した谷沿いに茅葺き民家が並ぶ景景観が特徴的なエリアです。この集落全体が、日本の伝統的な農村風景を維持しており、周辺には歴史的な価値を持つ他の文化財も点在しています。周辺の自然豊かな環境とともに、地域の歴史を巡るルートの一部として組み込むことができます。
本施設は外観の見学がメインであり、入場料に関する記載はありません。周辺施設での支払いに備え、現金やカードの利用については、訪問前に周辺の施設状況を確認してください。
英語による案内板やスタッフによる英語対応の有無については、公式な記載がありません。
外観の見学は予約不要で自由に行えますが、内部の見学を希望する場合は、事前に「うきは市教育委員会生涯学習課」へ連絡が必要です。
山間部の地域であるため、歩きやすい靴での訪問を推奨します。また、現在は実際に住居として利用されているため、住宅としてのマナーを守り、静かに見学してください。
外観の撮影は可能ですが、現在も住居として使用されているため、プライバシーに配慮した撮影を行ってください。
伝統的な民家であり、段差や土間などの構造があります。車椅子での移動やバリアフリー対応については、事前に確認が必要です。