
ガイド
御殿場口新五合目は、富士山の裾野に位置する標高1440mのスポットです。日本一の標高を誇る富士山の中でも、マイカーで容易にアクセスできる利便性の高さが魅力の一つです。ここは、富士山の他のルートとは異なる独特の景観を持っています。地面を覆う黒い砂礫や、厳しい自然環境に適応した植物たちが織りなす風景は、訪れる人々に自然の力強さを実感させてくれます。本格的な登山だけでなく、気軽に自然散策やハイキングを楽しめる場所として、多くの観光客に親しまれています。
御殿場口の登山道は、歴史的に登山客の利便性を高めるために整備されてきました。かつては、東海道線の建設に伴い、登山客の移動をスムーズにする目的で整備が進められた経緯があります。このエリアは、富士山の噴火による影響を強く受けた地形となっており、特に宝永噴火の痕跡を色濃く残しているのが特徴です。自然が作り出したダイナミックな地形は、単なる景勝地としてだけでなく、火山活動の歴史を物語る貴重な場所でもあります。

御殿没口新五合目の最大の魅力は、その独特な植生と地形です。標高1440mという位置は、富士山の他の部分と比較して森林限界が低く、樹木がほとんど見られない開けた景色が広がっています。地面を覆う黒い砂礫は、火山活動の歴史を感じさせる光景です。また、植物の観察も楽しみの一つです。特に注目すべきは、7月下旬から8月下旬にかけて咲く「フジアザミ」です。通常のあざみよりも5〜6倍も大きいと言われる紫色の花は、重い首を傾げたように咲く姿が非常に印象的で、この時期のハイライトといえます。他にも、オンタデやイタドリといった厳しい環境で育つ植物を見ることができます。
御殿場口新五合目へアクセスできるのは、富士山スカイライン(県道152号線)が開通している期間に限られます。例年、4月下旬から11月初めまでがアクセス可能なシーズンであり、冬季は積雪のため閉鎖されます。特におすすめの時期は、植物が美しく咲き誇る夏場(7月〜8月)です。この時期には、前述のフジアザミが満開を迎えるため、色彩豊かな自然を楽しむことができます。日中の明るい時間帯に訪れることで、富士山の雄大な姿と、足元に広がる繊細な植物のコントを最も鮮明に観察できます。

ここでは、本格的な登山を行わずとも、高地での自然散策やハイキングを楽しむことができます。整備されたエリアを歩きながら、火山礫の地面や高山植物の生態を観察する「ネイチャーウォーク」は、初心者や家族連れにも適しています。また、五合目付近には「大石茶屋」などの山小屋もあり、休憩を挟みながら富士山の空気を感じる贅沢な時間を過ごすことができます。登山道へ向かう手前には、大きな木の鳥居があり、そこから始まる景観の変化を楽しむことも、この場所ならではの体験です。
御殿場口新五合目周辺には、富士山の自然を満喫できるスポットが点在しています。例えば、山小屋である「大石茶屋」では、景色を眺めながら休憩を取ることができます。また、バス停の隣には富士急の売店があり、お土産の購入も可能です。周辺の景色を楽しみながら、富士山の裾野を歩くルートは、登山初心者やハイキング愛好家にとって非常に魅力的なエリアとなっています。

御殿場口新五合目は標高が高いため、地上よりも気温が低くなります。季節を問わず、体温調節ができる服装を用意してください。特に夏場でも、風が吹くと肌寒く感じることがあります。足元は、砂礫の上を歩きやすいため、歩きやすい靴が適しています。お支払いは、山小屋や売店での利用を想定し、現金を用意してください。クレジットカードや電子マネーの利用可否は、店舗や時期により異なるため、事前に確認しておくことが望ましいです。また、自然保護のため、植物を採取したり、ゴミを捨てたりしないよう、マナーを守った行動を心がけてください。