
ガイド
ぎふ長良川の鵜飼は、岐阜市の夏の風物詩として1300年以上の歴史を持つ伝統的な漁法です。長良川の清流を舞台に、伝統装束を身にまとった鵜匠が、燃え盛る篝火(かがりび)の中で鵜を操り、鮎を狩る姿を観覧できます。この地域は「長良川中流域における岐阜の文化的景観」として重要文化的景観に認定されており、現在はユネスコ無形文化遺産への登録を目指しています。また、日本で唯一の皇室御用(御料)鵜飼が行われる場所としても知られています。
長良川における鵜飼は、極めて長い歴史を持つ文化遺産です。鵜匠が「ほうほう」という独特の掛け声とともに、鵜を自在に操りながら鮎を捕らえる技術は、長年受け継がれてきたものです。特に、宮内庁式部職の鵜匠が皇室へ納めるための鮎を捕る「御料鵜飼」が行われる点は、この地の文化的な特徴の一つです。また、使用される道具一式122点は国の重要有形民俗文化財に指定されており、長良川の鵜飼が単なる漁法ではなく、高度な技術と伝統が凝縮された文化であることを示しています。

最大の魅力は、夜の長良川に浮かぶ篝火と、その光に照らされた鵜匠、そして鵜の動きが織りなす幻想的な光景です。伝統的な装束を纏った鵜匠による操船技術や、鮎を捕らえる一連の動作は、まるで古典絵巻の世界を現実のものとしたかのような美しさを持っています。また、長良川は「日本の水浴場88選」や「名水百選」にも選定されており、清らかな水の流れとともに、日本の豊かな自然環境も同時に体感できるスポットです。
開催期間は5月11日から10月15日までです。夏季の繁忙期である7月から9月にかけては、2回制の鵜飼が行われます。2回目の回は、1回目の終了後である21:10頃から開始され、終了時刻はおよそ22:00頃となります。夜間の観覧となるため、夏の夜の涼やかな風を感じながら、日本の伝統的な夜の風景を楽しむことができます。なお、増水などの天候状況により、実施できない場合がある点に注意が必要です。

観覧船に乗船して、間近で鵜匠の技術や鮎の動きを観察する体験は、日本の伝統文化を五感で感じる貴重な機会です。長良川の清流、伝統的な造船技術、そして鵜匠の技術が一体となった、ダイナミックかつ繊細なパフォーマンスが展開されます。岐阜の文化的な景観とともに、戦国時代の城下町としての歴史や、日本遺産に認定された「信長公のおもてなし」の精神が息づく空間を体験することができます。
長良川周辺には、岐阜の歴史や文化を感じられるスポットが点在しています。長良川中流域は、文化的な景観が守られているエリアであり、周辺の街並みや自然環境も魅力の一つです。また、岐阜市は織田信長ゆかりの歴史を持つ地域としても知られ、周辺の観光地と合わせて、日本の歴史的な背景を深く知ることができます。
夜間の川沿いでの観覧となるため、季節に応じた適切な服装が必要です。特に夏季でも夜間の気温変化に対応できるよう、羽織るものを用意すると便利です。また、観覧船への乗船にあたっては、安全のためのルールやマナーを守っていただく必要があります。船の上での動きや、周囲の観客への配慮が求められます。