
ガイド
月山富田城跡は、島根県安来市に位置する日本100名城の一つです。標高191.5mの月山(吐月峰)の山頂付近に本丸を構える、典型的な山城の構造を持っています。安土桃山時代から江戸時代初期にかけての歴史を刻むこの場所は、現在は史跡公園として整備されており、城郭の遺構や歴史的な背景を学ぶことができます。
この城の歴史は、1567年(永禄10年)に天野隆重が城代として居城したことに始まります。その後、1569年には尼子氏の旧臣らによる攻城戦が行われましたが、城は落ちませんでした。1570年には毛利勢の本隊が来援し、戦いの歴史が刻まれています。江戸時代に入ると、1611年(慶長16年)に堀尾忠晴が松江城へ移ったことで廃城となりました。近現代においては、平成に入ってから樹木の伐採や石垣の修理が行われ、史跡公園としての整備が進められています。2006年には日本100名城の65番として選定されました。

月山富田城は、靴のような形をした月山の地形を活かした構造が特徴です。山頂の本丸を中心に、北側、東側、南側の三方が急峻な斜面となっており、防御に適した地形となっています。主な進入路としては、北麓の菅谷口、富田橋を渡る正面の御子守口、南麓の塩谷口の3箇所があります。これらの経路は、急峻な斜面を幾重にもうねるようにして登る「七曲り」と呼ばれる道を通じて、山頂の詰の城へと繋がっています。また、周辺には多くの曲輪(くるわ)が配置されており、かつての防御システムの跡を確認できます。
城跡自体は常時開放されているため、季節を問わず訪問が可能です。登山を伴うため、天候や気温の変化に合わせた準備が必要です。安来市立歴史資料館を利用する場合は、開館時間(9:30〜17:00)内に訪問する必要があります。資料館は毎週火曜日(祝日の場合は翌日)が休館日であるため、訪問の際は日程を確認してください。

月山富田城跡では、歴史を学ぶための様々なプログラムやコースが用意されています。例えば、ガイド付きの登山コースでは、城跡を歩きながら歴史的な解説を受けることができます。また、安来の歴史に触れるコースとして、城下町であった広瀬の街並みを見学したり、歴史資料館で学びを深めたりする行程も含まれます。歴史資料館では、100名城スタンプを集めることも可能です。
城の麓には、歴史的な街並みが広がっています。安来市立歴史資料館は、城跡へのアクセス拠点の一つです。また、周辺には「広瀬」と呼ばれるエリアがあり、かつての城下町としての趣を残しています。このエリアでは、伝統的な技術や文化に触れる機会もあります。

城跡は山城であるため、整備が進んでいるとはいえ、足場が急な場所や傾斜があります。登山や歩行に適した靴や服装が必要です。安来市立歴史資料館を利用する際は、開館時間と休館日を事前に確認してください。また、歴史的な遺構を守るため、マナーを守った行動が求められます。