
ガイド
青鬼伝統的建造物群保存地区は、長野県白馬村の北東部、標高約760mの場所に位置する、日本の伝統的な農村景観を今に伝える集落です。平成12年に文化庁より重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。この地区の最大の特徴は、等高線に沿って三日月形状に並ぶ茅葺き屋根の主屋と、石垣によって築かれた美しい棚田です。北アルプスの雄大な山々を背景に、自然と調和した日本の原風景が広がっています。
この集落の歴史は古く、江戸時代後期から明治時代にかけて建築された大型の茅葺き屋根の主屋が、現在も14棟残っています。集落のインフラである「青鬼上堰」は、万延・文久年間(1860年代)に約4年の歳月をかけて開削されたもので、現在も棚田への給水に使用されています。また、集落には古くから信仰の対象として、向麻石仏群や阿弥陀堂石仏群、道祖神、馬頭観音などの石仏や祠が点在しており、地域住民の生活と深く結びついた精神文化が守られてきました。

集落内には、歴史を感じさせる建築物や自然景観が数多く存在します。特に、石垣を築いて作られた棚田は、平成11年に「日本の棚田百選」にも認定されており、季節ごとに異なる表情を見せます。また、集落の中央部には、長い石段を上った先に鎮守である青鬼神社があります。神社には本殿や諏訪社が祀られ、神楽殿も備わっています。さらに、集落の入口付近には、歴史的な役割を果たしてきた向麻石仏群が並び、訪れる人々に古の風景を伝えています。
四季を通じて異なる景観を楽しむことができます。特に5月の田植え時期には、水を張った棚田に北アルプスの残雪が映り込む風景が見られるため、国内外から多くの来訪者が訪れます。また、9月20・21日に開催される「青鬼神社例大祭」では、火を揉み込むことで火を起こす「火揉みの神事」が行われます。これは白馬村の無形文化財にも指定されている非常に珍しい伝統行事です。秋には収穫の季節を迎え、集落全体が豊かな色彩に包まれます。

青鬼集落では、自然や文化に触れる散策が中心となります。棚田の風景を眺めながらの散策や、歴史的な石仏・神社への参拝を通じて、日本の伝統的な村落の構造を学ぶことができます。また、地域特産品として栽培されている古代米の「紫米」は、この地の豊かな自然が生んだ特産品です。集落内の「お善鬼の館」などは、地域の文化を知る拠点として利用されています。
集落の周辺には、北アルプスの名峰である五竜岳や八方山、物見山などがそびえ立ち、登山やトレッキングの拠点としても機能しています。また、集落の北西を流れる一本木沢では、地域の景観を維持するための砂防事業が進められており、自然環境の保酪と景観保存の両立が行われています。

集落内は傾斜地や石段、未舗装の道が含まれるため、歩きやすい靴での訪問が必要です。また、ここは住民が日常生活を送っている生活圏であることを強く認識してください。以下のルールを遵守してください。