
ガイド
青木周弼旧宅は、幕末の時代に日本屈指の蘭方医(西洋医学を扱う医師)として知られた青木周弼の邸宅です。青木周弼は、13代藩主・毛利敬親の侍医を務めた人物であり、この建物はその歴史的な背景を今に伝えています。母屋は、来客用の座敷と、家族が生活するための居住スペースに分けられており、当時の生活様式や、全国から門下生が集まったという青木家の状況を反映した造りとなっています。
青木周弼は、1803年に周防大島郡の医師・青木玄棟の長男として生まれました。彼は、三田尻の名医である能美友庵・洞庵父子に学び、その後、江戸にて蘭方医の坪井信道らに師事しました。また、長崎へ遊学した際には、シーボルトにも師事した経歴を持ちます。天保9年(1838年)には、能美洞庵らの推薦を受けて藩医となり、嘉永元年(1848年)には13代藩主・毛利敬親の信任を得て侍医となりました。
青木周弼は、医学の発展だけでなく、種痘法(天然痘の予防法)にも注力しました。弟の研蔵を長崎へ派遣して研究を進め、藩内での種痘を成功させた実績があります。また、藩の医学館である「好生堂」の創設にも関わり、後にその館長を務めました。彼が培った洋学の知識は、後の藩政改革にも影響を与えています。

この施設では、伝統的な日本の建築様式を持つ母屋を見ることができます。来客用の座敷と、家族用の居住スペースが分かれた構造は、当時の社会的な役割や、多くの門下生を受け入れていたという歴史的背景を反映しています。白壁や伝統的な屋根、木製の柱などが、幕末期の生活空間を伝えています。
日中の明るい時間帯には、白壁や伝統的な建築の細部を観察することができます。季節を問わず、落ち着いた雰囲気の中で歴史的な空間を巡ることができます。1日券を利用して、周辺の歴史的な街並みとともに巡るのが効率的です。

ここでは、幕末の医師がどのような環境で医学の研究や診療を行っていたのか、その建築様式を通じて歴史に触れることができます。周辺の街並みを歩きながら、萩の歴史的な風土を感じることができます。
青木周弼旧宅の周辺には、萩市の歴史を象材する多くの施設があります。例えば、菊屋家住宅や木戸孝允旧宅、高杉晋作誕生地などが近くに位置しており、萩の歴史散策の拠点として最適です。また、萩循環まぁーるバスを利用することで、市内の主要な観光スポットへ容易にアクセスできます。
散策に適した歩きやすい靴での訪問をおすすめします。建物内は歴史的な構造物であるため、足元への注意が必要です。また、周囲の景観を尊重した行動をお願いします。