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特別展 地上の天堂(パラダイス) 杭州と呉越国(ごえつこく)――渡海する信仰と美

ガイド

特別展 地上の天堂(パラダイス) 杭州と呉越国(ごえつこく)――渡海する信仰と美

約5分

イベント概要

「天有天堂、地有蘇杭」(天には天国があるように、地には蘇州・杭州がある)――江南の杭州は、実り豊かな豊穣の土地として、また西湖に代表される景勝の地として、古くより憧れの対象となってきました。特別展「地上の天堂(パラダイス) 杭州と呉越国(ごえつこく)――渡海する信仰と美」は、麗しい杭州のイメージをたどり、国際文化都市としての杭州に焦点を当てて、平安時代の日本や高麗、大理国など、広く交差した文化の流れを見ていく展覧会です。

杭州は貿易港として海上交通の要衝でもあり、呉越国の初代国王・銭鏐による銭塘江の護岸工事や運河の発達、海商たちの活躍により、国際都市として文化をつなぐ役割を果たしてきました。五代十国時代(10世紀)、杭州を首都とした呉越国は仏教が栄え、浄慈寺をはじめ、寺院や仏塔で溢れていました。第五代国王・銭弘俶が発願した「銭弘俶八万四千塔」は、呉越国の領土であった地域を除き、東アジアでは日本で最も数多く発見されています。近年、中国では活発な発掘調査によって、呉越国時代の仏教が北宋時代以降も民間に根付いていたことが知られます。

出陳品は77件で、前期・後期で一部展示替えがあります。主催:公益財団法人 大和文華館、近鉄グループホールディングス株式会社。共催:毎日新聞社。展覧会助成:芸術文化振興基金。

展覧会の構成と主な出陳品

  • *第一章**: 「地上の天堂 杭州――麗しき西湖が護る都市」。杭州にある名勝地・西湖を描いた西湖図や越窯青磁などを通して、人の手で作り出された建造物や史蹟と自然が織りなす麗しい都市のイメージをたどります。出陳品には、西湖図(重要文化財。秋月等観筆、室町時代、石川県立美術館蔵)や、青磁劃花龍文陶片(越窯址採集陶片のうち。中国・五代十国~北宋時代・10~11世紀、東京国立博物館蔵)などがあります。
  • *第二章**: 「凡在有情(はんざいうじょう)、希沾妙喜(きてんみょうき)」――浄土、すべてのものの中にあらんことを。唐と宋の狭間に生まれた呉越国の仏教文化を改めて見直し、書物や文物を通して東アジアにどのような広がりをみせたのかを見ていきます。日本とも関わりが深い江南の仏教信仰に根差した呉越仏教の中枢を見ていきます。出陳品には、銭弘俶八万四千塔(中国・五代十国時代・10世紀、個人蔵)や、『宗鏡録』巻第一(国宝。永明延寿著、銭俶序、中国・南宋時代・12世紀、京都・醍醐寺蔵)などがあります。
  • *第三章**: 日本における「銭弘俶塔」の信仰と展開――10世紀、乱世に崇仏王の祈りは静かに広がり、そして海を渡った。呉越国王・銭弘俶の代表的な事績である造経・造仏を通して、これらが日本に与えた影響をたどります。出陳品には、六道絵(重要文化財。鎌倉時代・13世紀、兵庫・極楽寺蔵)や、銭弘俶八万四千塔(重要文化財。中国・五代十国時代・10世紀、福岡・誓願寺蔵)などがあります。
  • *第四章**: 国際都市 杭州――交差する東アジアの美。杭州は呉越国や南宋の首都であり、高麗や遼といった東アジアの文化が行き交う場所でもありました。仏教文物や陶磁器などによって、杭州を介して行き来した文化の流れを追います。出陳品には、青磁九龍浄瓶(重要文化財。高麗・12世紀、大和文華館蔵)や、鍍金観音菩薩像(大理国・12世紀、泉屋博古館蔵)などがあります。

日程・スケジュール

  • *会期**: 2026年10月24日(土)~12月6日(日)
  • *前期**: 10月24日(土)~11月15日(日)
  • *後期**: 11月17日(火)~12月6日(日)
  • *前期に展示される作品の例**: 西湖図(重要文化財)、画図讃文 巻第二七(重要文化財)、『往生西方浄土瑞応伝』(重要文化財)、六道絵(重要文化財)
  • *後期に展示される作品の例**: 『宗鏡録』巻第一(国宝)、応現観音図(重要文化財)、夢記[第十篇](重要文化財)、地獄極楽図屏風(重要文化財)
  • *そのほかの展示替え**: 表忠観碑(拓本)4幅は2幅ずつ前期・後期で展示替え、南詔図伝は巻替え展示、奝然入宋求法巡礼行瑞像造立記・入瑞像五臓具記舍物注文(国宝)は前期・後期で巻替えです。
  • *休館日**: 月曜日休館(ただし11月23日〈祝〉は開館し、翌24日〈火〉が休館)
  • *開館時間**: 午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)
  • *無料招待デー**: 10月30日(金)は大和文華館開館記念日の「無料招待デー」です。

入館料

  • *入館料**: 一般1,100円、高校・大学生770円、中学生以下は無料です。
  • *割引**: 20名以上の団体は相当料金の2割引で引率者1名が無料です。「障がい者手帳」をお持ちの方とご同伴者1名は2割引です。

会期中のイベント

  • *シンポジウム**: 11月1日(日)午後1時~午後4時30分、講堂。テーマは「「銭弘俶八万四千塔」の背景を求めて—中国江南と西北地域における劉薩訶と阿育王塔—」。発表者は京都大学人文科学研究所、大阪市立美術館、中国・敦煌研究院、大和文華館学芸部の方々です。定員120名、要事前申し込みです。
  • *日曜美術講座**: 11月15日(日)午後2時、講堂。「悠久の呉越国文化と美術」。講師は大和文華館学芸部の課長です。定員は当日先着100名で、事前の申し込みは不要です。
  • *講演会**: 11月29日(日)午後2時、講堂。「呉越国と禅」。講師は東京大学東洋文化研究所の准教授です。定員は当日先着100名で、事前の申し込みは不要です。
  • *列品解説**: 毎週土曜日の午後2時から、大和文華館学芸部が行います。

いずれも参加は無料ですが、入館料が必要です。

会場

  • *会場**: 大和文華館(奈良県)