ガイド
福田美術館で開催される「愛のカタチ ー幻の春画《稚児草紙》公開ー」は、日本文化における「愛と欲望」をテーマにした特別展です。本展の目玉は、2025年に新たに加わった所蔵品であり、14世紀初めに制作されたとされる日本最古の春画《稚児草紙》(ちごそうし)の初公開です。この作品は、長らく一般の目に触れることがなかった「幻の作品」として知られてきました。展示では、この《稚児草紙》をはじめ、江戸から明治にかけて描かれた様々な「姿」や「愛のかたち」を題材とした名品の数々を紹介します。
本展の最大の焦点は、僧侶と稚児の親密な関係を詞書(ことばがき)とともに描いた《稚児草紙》です。穏やかな色調での彩色や、人物の表情などの細部、そして物語性の高い構成が特徴です。また、江戸時代の絵師・谷文晁(たにぶんちょう)が模した、日本最古の春画の一つとされる《小柴垣草紙》(こしばがきそうし)の巻物も併せて展示されます。さらに、白隠慧鶴(はくいんえかく)の《神農図》や、与謝蕪村(よさぼん)の《十二神仙図屏風》など、人間という形を借りて多様な感情や生命力を表現した作品も展示されます。これらを通じて、時代を超えて描かれてきた人間の感情表現の多様性に触れることができます。
本展の開催期間は、2026年9月19日(土)から2027年1月17日(日)までです。
なお、展示替えに伴う日程があります。
会場は、京都・嵐山の渡月橋近く、大堰川(桂川)沿いに位置する福田美術館です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会場名 | 福田美術館 |
本展は、文化財としての価値が高い作品を扱うため、以下の点に留意してご鑑賞ください。特に《稚児草紙》は、14世紀の歴史的背景を持つ極めて貴重な資料です。展示作品には、人間の感情や身体性を描いたものも含まれるため、美術史的な観点からも注目すべき内容となっています。また、本展の期間中には展示替えが行われるため、訪れる時期によって展示される作品の構成が異なる場合があります。